2011年1月28日金曜日

「医療観光」海外大手、大阪・梅田北ヤード進出へ

(2011年1月20日 読売新聞)

海外から患者を呼び込む「医療ツーリズム」で先行する
シンガポールの医療大手ラッフルズ・メディカル・グループ(RMG)が、
JR大阪駅北側の梅田北ヤードに進出。

海外の医療機関が、日本に拠点を置くのは極めて異例。
医療ツーリズムは、日本政府が昨年6月に閣議決定した
新成長戦略の一環として推進、RMGの進出を機に、
市場が急成長する可能性もある。

北ヤード開発に参加する阪急阪神ホールディングスが誘致、
3月末までの基本合意を目指している。

RMGが進出するのは、最先端の国際的な研究開発拠点や
オフィスなどが整備される先行開発区域、
1000平方メートル規模のクリニック(無床診療所)を開設。

外国語に堪能な日本人医師らが常駐し、
外国人駐在員やその家族、海外からの観光客らを診察する。

中国やロシアなどの富裕層を、日本の最先端の検査機器で検診し、
それぞれの母国にあるRMGの提携病院か、
シンガポールの病院で治療する旅行も企画。

将来は、外国人医師による診療ができるよう、規制緩和を
日本政府に働きかけ、総合病院を整備したい考え。

RMGは1976年設立、2009年度の売上高は約140億円。
シンガポールで、約70か所の診療所や病院を展開し、
香港、上海にも総合病院を開設。

シンガポールでの患者数は100万人を超え、その3分の1は
100か国以上の外国人、大勢の駐在員のほか、
医療目的の旅行客が増えている。

昨年12月、RMGのルー・チュン・ヨン会長が来日。
阪急阪神の幹部や平松邦夫・大阪市長と面会、
進出への意欲を伝え、工事中の現地を視察。

日本政策投資銀行は、20年には国内の医療ツーリズムに対する
潜在需要が約43万人、観光を含めた市場規模が約5500億円に
成長すると試算。

政府も、外国人向け医療を有力な観光資源として売り込む方針で、
検査や治療目的での訪日を促す狙いから、
今月から最長6か月の「医療滞在ビザ」を創設。

◆梅田北ヤード


関西最後の一等地と呼ばれ、広さは24ヘクタール。
先行開発区域は東側の7ヘクタール、2013年春の街開きを目指す。
西側の2期開発区域の利用方法は未定、
緑地公園とする案などが浮上。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/1/20/131229/

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