2011年5月18日水曜日

防潮堤64%が損壊 県内漁港海岸の被害状況

(岩手日報 5月9日)

県は8日、東日本大震災による県内の漁港海岸
(水産庁所管の海岸)の防災施設の被害状況を公表。

防潮堤は、津波のために総延長39・4kmの、
約64%に当たる25・3kmが損壊。
シミュレーションに基づき、防災施設が津波の高さを抑制するなど、
一定の効果を果たしたことを説明。

漁港海岸の防災施設被害は、第2回県津波防災技術専門委
(委員長・堺茂樹岩手大工学部長、委員8人)で、県が提示。

被害が顕著だった山田町の船越漁港海岸の防潮堤は、
浦の浜、船越南両地区で計510m、田の浜地区で計230mが全壊。
大船渡市の越喜来地区の3海岸では計600m、
大槌町の吉里吉里漁港海岸では計240mが全壊。

被災のメカニズムも示され、押し波による破損や陸側への倒壊に加え、
防潮堤を越えた津波の引き波によって、
基礎部分の盛り土が浸食され、海側に倒壊したケースも。
水門は142基中52基、門扉は331基のうち137基で被害が確認。

県は、防災施設の有無による津波の最大水位と流速、到着時間を
比較したシミュレーション結果を公表。

宮古市の田老地区は、防災施設有りの場合が堤防背後の最大水位で
3・1m低く、津波の到着時間も7分遅かった。

委員は、今回のシミュレーションで対象となった沿岸9地点について、
防潮堤などに一定の効果があったと判断。
詳細な検討に必要なデータを加え、
今後追加の計算をしていくことを県に求めた。

次回は23日に開催予定。
同専門委は、県復興委が6月上旬までにまとめる
復興ビジョンの素案に議論を反映させる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110509_3

0 件のコメント: