2011年5月21日土曜日

本格化から1カ月、がれき撤去進ちょく24% 今後は土地利用への関心も

(東海新報 5月14日)

大船渡市は、先月11日以降民有地で、作業が進むがれき撤去の
進ちょく状況をまとめた。
被災面積約765㌶に対し、進ちょく率は24%。

これまでは、山側など浸水域の縁辺部で作業が進められたが、
今後は多く散乱している被災地中心部を予定。
撤去が進む中、終了後の土地活用などへの注目も。

がれき撤去の対象は、
▽個人住宅敷地内に流れ着いてきた車両やがれき、
▽一定の原型をとどめている住宅、倒壊した家屋の残骸、住宅の基礎部分、
▽中小企業者の事務所、店舗―など。
市が実施主体となり、地元建設業者に発注。

3月中から先行実施されていた三陸地区に続き、
4月11日以降は旧大船渡市内でも着手。
各地区とも、基本的には浸水地域の最も北側もしくは山側部分からスタート。
撤去次第、生活スペースが確保しやすい場所を選び、
各地域公民館などと調整。

各地区に業者が分かれ、合わせて120台を超える重機が出動。
全壊家屋の柱や家財道具などをトラックに運び入れ、仮置き場に移動。
遺体捜索も兼ねていることや、地域住民の要望も聞き入れながら
進むため、慎重な作業が続いている。

今月11日現在の進ちょく状況によると、撤去面積は183・4㌶。
撤去率は24%となったが、地域ごとにばらつきが。

吉浜地区(被災面積52・7㌶)では42・2㌶で進み、撤去率は80%。
越喜来(同95・7㌶)も78%まで到達。
綾里地区(同64・1㌶)は40%。

最も被災面積が大きい赤崎地区(同195・3㌶)は12・2㌶、撤去率は6%。
大船渡地区(同191・6㌶)は9%、末崎地区(同100・2㌶)は7%、
盛地区(同65・5㌶)は8%。
被災前に構造物が多かった地区では、市全体の平均を大きく下回る。

市都市整備部の佐藤守部長は、「1カ月で4分の1が終わったから、
残り3カ月で作業が終了するという予測にはならない」
これまで入った地域は、浸水しない地域との縁辺部が多い。
今後は被災地の中心部に入るため、作業はさらに難しさを増す。

作業が進む中、撤去したがれきの処分方法への関心も高まる。
太平洋セメント大船渡工場では、通電体制が整ったことから、
がれき焼却を行う準備を進めている。
鉄類などを除いた比較的多種類のがれきをキルン設備で処分できるが、
処分量ペースなどの見通しは立っていない。

がれきの保管場所も拡充させる必要。
市ではこれまで、20㌶分の仮置き場を確保、想定される量と比較すると、
十分とは言い難い。
佐藤部長は、「分別した鉄類は仮置き場に運ばず、直接現地で
業者に引き取ってもらうといった工夫をしている。
焼却できなかった分や残灰などは、最終的には埋設となる見込み」

撤去によって、各地にまとまった更地が生まれつつある。
市では、民間事業所などの工場や店舗といった仮設施設は、
浸水域でも柔軟な対応をとる姿勢。
事業再開を急ぐ動きが広がる中、撤去を終えた土地の利用予法も今後注目。

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