2011年5月16日月曜日

税と社会保障 未成年の医療費軽減 中学生以下1割、世代負担を平準化 民主党素案

(2011年5月12日 毎日新聞社)

政府の税と社会保障の一体改革に関し、民主党の
「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長・仙谷由人官房副長官)が
まとめた医療・介護制度改革素案の全容。

現役・高齢世代の負担を公平に近づけるため、
中学生以下の医療費の窓口負担割合を1割とするなど、
原則2~3割の未成年の負担軽減を図る。

支払額に上限を設けている高額療養費制度を、
難病患者ら長期療養者向けに拡充する方針を打ち出し、
財源として、一般外来患者の窓口負担に一定額を上乗せする
「受診時定額負担制度」の導入も検討。

民主党は、素案を近く政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」
(議長・菅直人首相)に提案。
同会議が、5月末にまとめる社会保障改革案に反映させる。

素案では、高齢者に偏りがちとされる社会保障給付に関し、
「若者や現役世代に、過度に依存する状態から脱却しなければならない」

医療費の自己負担割合(現行は原則▽0歳~小学校就学前2割
▽小学生~69歳3割▽70~74歳2割▽75歳以上1割)の見直しを明記、
中学生以下を1割、20歳未満は2割へ引き下げる一方、
軽減措置によって1割に抑えている70~74歳は、
本来の2割に戻すと例示。

世帯単位の支払額を抑えるため、
医療・介護や子育て費用の合計額に上限を設ける仕組みも検討。
医療費の窓口負担が上限を超えた場合、
企業の健康保険組合などから上限超過分の払い戻しを受ける
高額療養費制度については、長期療養が必要な患者への払戻額を
増やす案などを検討。

外来の窓口負担に一定額を加算する制度をセットで導入し、財源とする。
上乗せ額は、一律100円程度を想定。

介護保険制度では、40歳未満にも保険料負担を求めることを検討。
市町村の国民健康保険への加入が多い非正規労働者にも、
被用者保険を適用することも盛り込んだ。


◆税と社会保障:民主の医療・介護改革素案(要旨)

1<改革の必要性>

我が国の「皆保険」は、将来にわたって維持しなければならないが、
その土台が揺らぎ始めている。
国民全体が医療や介護の実態を正しく理解し、過剰サービスは享受せず、
若者や現役世代に過度に依存する状態から脱却しなければならない。

2<改革の方向性>

1、精神科医療、予防医療など(自公政権時代の)社会保障国民会議で
検討が不十分と思われる項目について、2025年を見据えた検討を加える。

2、地域に必要な医療・介護従事者の確保と調整のスキームを検討する。

3、包括的な医療・介護連携のための機能分化とネットワーク構築を進める。

4、5(略)

3<具体的内容>

▽比較的高額で長期にわたる療養を必要とする場合、
保険者の機能として負担軽減策を講じる。
この機能を高めるため、受診時定額負担制度の導入についても検討。

▽給付費に占める税の負担割合を高める方策を検討。

▽医療保険の自己負担割合の見直しを検討。
義務教育終了まで1割、20歳未満2割、20~69歳3割、
70~74歳2割、75歳以上1割等。

▽医療・介護の自己負担を含め、社会保障負担の世帯合算に上限を設ける。

▽介護施設における給付の公平化を図るとともに、
介護保険の2号被保険者の年齢を引き下げることを検討。

▽長く健康を保った場合、保険料上のインセンティブを考慮。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/12/136425/

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