2011年5月19日木曜日

がれき焼却スタート 太平洋セのキルン稼働

(東海新報 5月18日)

大船渡市の太平洋セメント大船渡工場(安藤國弘工場長)で、
工場内に流れ着いたがれきの焼却処分が始まった。
セメント生産の心臓部であるキルン設備が、震災後初めて稼働。
今後は、市内で撤去されたがれきの受け入れも進める。

同工場では今月9日、施設稼働に必要な高圧電力の送電体制が復旧。
主要地方道より東側の高台に位置し、浸水被害を受けなかった
5号キルンが17日未明から稼働。
工場内に流れ着いた土砂や木材、プラスチック類を投入する
作業が始まった。

キルンは、セメント生産時の中心的な施設で、
石灰石をはじめ各種原料を高温焼成によって混ぜ合わせる。
焼成機能を生かし、これまでも産業廃棄物処分などが行われた実績がある。

工場内では、安全を確認しながら慎重に作業が行われ、
1時間あたり5㌧ほどのがれきが、約800度で焼却処分。

今回の焼成は試行段階だが、今後も24時間体制でキルンを稼働。
工場内には約750㌧のがれきがあり、21日までには全て終えたい。
その後、浸水被害に遭った民有地で撤去を終えた、がれきを受け入れる。

現在、市内各地に設けられた仮置場にがれきが集まり、
すでに5㍍以上の高さに積まれた光景も。
キルンでは、スクラップ業者が引き取る鉄類などは受け入れられないが、
比較的多種類のがれき処分が可能。
ただし、5㌢以下に破砕する作業が必要。

安藤工場長は、「関係機関の協力を得ながら、ここまで来ることができた。
予定通りに復旧が進んでいる。
焼却灰もセメントの原料とすることができるため、
早く他の設備を復旧させて再生産したい」

当面、5号キルンはがれき焼却に専念し、セメント生産は行わない。
焼却を進める間に、1号キルンや護岸部分などの設備復旧を進める。
セメントの再生産は、11月中旬を目標。

http://www.tohkaishimpo.com/

0 件のコメント: