2011年5月15日日曜日

タンパク移植し骨再生 名古屋大、ラットで成功

(2011年5月10日 共同通信社)

骨などのもとになる「間葉系幹細胞」の培養液に含まれる
タンパク質を寒天に混ぜ移植することで、
ラットの頭の骨を再生させたとする研究結果を、
名古屋大の上田実教授(顎顔面外科学)らがまとめた。

上田教授によると、骨の再生医療では幹細胞そのものの移植が
必要とされており、それを覆す成果。
上田教授は、「細胞移植で問題となる腫瘍化のリスクが減り、
治療にかかるコストも100分の1以下にできるかもしれない」
日本炎症・再生医学会で発表。

研究グループは、人間の骨髄から採取した間葉系幹細胞の培養液を
凍結乾燥させ、細胞の機能を調節するタンパク質「サイトカイン」を
含む粉末を作製。

粉末を水に溶かして寒天に混ぜ、ラットの頭の骨に開けた
直径5mmの穴に移植。
8週間後には、ラット数十匹すべてで骨が再生し、
中には完全に穴がふさがったものもあった。

移植した部分に全身から間葉系幹細胞が集まり、骨が再生していた。
寒天の代わりに、骨の成分であるコラーゲンを使うと、
より短期間で再生した。
乾燥させた培養液に再生効果があったことから、
「製剤化も容易」(上田教授)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/10/136318/

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