2011年5月19日木曜日

震災の廃木材で仮設住宅 チップ化し建設資材に

(岩手日報 5月3日)

岩手大農学部の関野登教授(木質資源工学)と、
県立大盛岡短期大学部の内田信平准教授(建築設計)は、
宮古市の建設業者と連携し、東日本大震災で生じた廃木材を
活用した仮設住宅供給の仕組みづくりを進めている。

廃木材をチップ化して、パネルとして建設資材に活用。
短時間で建設できるのが特長。
被災地では、仮設住宅の早期建設を望む声が強く、
がれき処理や地元企業の雇用創出にもつながる新たな試みとして注目。

建設の仕組みは、自治体が収集した廃木材のうち、
利用できるものをチップ化して木質ボードに加工し、
パネルとして建設資材に活用。

他の建材も、可能な限り本県産や県内業者の加工にこだわった。
建設時間の短さや断熱性能の高さも特長。
使用後に解体・保管し、再利用することも可能。

建設費用は、鉄骨を素材とする一般的な仮設住宅と同等で、
2DK(約30平方メートル)1戸当たり300万円前後。

建築を担うのは、宮古市内の建設業5社。
4日には同市内で試作品2戸を完成させる予定、
関野教授らは作業のスピードや造りやすさなどを検証。

業者は2日、取り組みを県の応急仮設住宅公募供給事業に応募。
採択されれば、5月中旬にも量産に入り、
宮古・下閉伊地区で6月末までに計60戸の供給が可能。

取り組みを通じて、
▽被災者の早期入居
▽雇用創出
▽がれき処理の促進―
などの社会的効果が見込まれ、
▽廃木材利用技術の進展
▽木質仮設住宅の生産性改善
▽仮設住宅の居住性向上―
といった学術的効果も期待。

内田准教授は、「仮設住宅建設に関わる費用は、県内で循環させたい」と
地元業者、県産素材にこだわる意義を説明。
将来的には、同システムを全国に発信していく考え。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110503_11

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