2008年5月20日火曜日

認知症の予防のためには体重に注意

(WebMD 5月8日)

健康体重を維持している高齢者は、
同時に知性と記憶を保護しているのかもしれない。
『Obesity Reviews』で発表された研究は、
認知症を防止するという点で体重が重要。

ジョンズホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部の研究者らが、
肥満者は、標準体重の人々と比較してアルツハイマー病のリスクが
80%上昇していることを見出した。
低体重でも、そのような認知障害が発現する可能性が36%高い。

科学者らは、肥満と認知症の関連について長い間、議論してきた。
以前の知見は、「種々雑多であり、決定的ではなかった」。
国際保健疫学講座の准教授Youfa Wangらは、認知症患者を含む
1995 - 2007年の10件の国際的な研究
(米国、フィンランド、スウェーデン、フランス、日本)のレビューと解析。
研究開始時の各被験者の年齢は40 - 80歳、3 - 36年間追跡調査。

レビューした研究は、アルツハイマー病、高血圧、高コレステロールと関連し、
脳卒中に起因することもある血管性認知症を含む、
すべての種類の認知症を対象。
「メタ解析から、男女とも肥満によって認知症の相対リスクが
標準体重と比較して平均42%上昇したことが明らかに」。

60歳より前に認知機能の低下が発現した人々、
または10年以上追跡調査を行った研究において、
肥満がアルツハイマー病と血管性認知症のリスクに重大な影響を及ぼす。
リスクは、性別によってもわずかに異なる。
「肥満がリスクファクターになる可能性がより高かったのは、
アルツハイマー病に関しては女性、血管性認知症については男性」。

解析から、中心性肥満は血管性認知症のリスクを上昇させるが、
アルツハイマー病についてはそうではない。
中心性肥満とは、身体の中央部分の周りの脂肪の蓄積。
危険な腹部の脂肪は、高コレステロール、心臓発作リスクの上昇と関連。

アルツハイマー病は進行性の脳疾患で、
65歳以上の人々の認知症の最も一般的な原因。
アルツハイマー病協会によると、米国には約500万人の患者。
米国のベビーブーム世代が老年に達する今後数年間で、
その数は大きく増加する可能性があると懸念。

「正常な老化がアルツハイマー病に進行するのを防ぐ有望な方法」として、
肥満率を低下させるための、より健康的な生活習慣を推奨。
米国立衛生研究所によると、成人の3分の2が体重超過または肥満。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=72651

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