2010年2月27日土曜日

研究設備を開放へ 10年度から県工業技術センター

(岩手日報 2月23日)

盛岡市の県工業技術センター(酒井俊巳理事長)は、
2010年度から、酸化亜鉛(ZnO)研究開発プロジェクトに
特化した試験研究設備「ZnOオープンラボ」を、
半導体関連の企業に広く開放する方針を固めた。

同方針は、人工水晶を使った高性能電子部品製造販売大手の
東京電波が、4月から盛岡市の子会社に、
開発拠点を全面移転する決め手。
保有する技術資源を開放することで、研究開発型企業の
技術力向上と本県への誘致促進が期待。

オープンラボは、03年開設。
同センターの3室に、1台当たり最高で約5千万円する
東北唯一の半導体関連装置や評価装置などを21台備え、
同センターとの共同研究参画企業に無償で貸し出されている。
10年度から、酸化亜鉛関連の共同研究参画企業以外にも、
利用対象を拡大する方針。
県内企業のほか、県外企業にも有償で活用してもらう考え。

同センター電子情報技術部の遠藤治之主任専門研究員は、
「オープンラボの利用は3、4年前から酸化亜鉛関連以外の
企業からも需要があった」

09年度で7年目の酸化亜鉛プロジェクトは、
センサーや発光ダイオード(LED)など6テーマで、
研究開発に取り組んでいるが、研究開発から事業化の段階に入り、
酸化亜鉛以外にも有効利用できる余地が出ている。

東京の本社開発部門を、4月から盛岡市の子会社に移転する
東京電波の小野隆夫専務は、
「品質評価などでセンターの装置を活用したい」、
同センターの研究開発環境も移転の決め手になったことを強調。

本県は、足腰の強い産業を構築するため、
研究開発型企業の集積を進め、酒井理事長は、
「研究開発型企業を育てることが、設備、研究者がいる
公設試験研究機関の役割になっていく」と、
同センターの技術資源の有効活用を積極的に進める考え。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e201002/e1002231.html

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