2010年3月1日月曜日

義足 風呂敷応用し、安価に 島根の装具メーカー開発 地雷被害者の支えに

(2010年2月21日 毎日新聞社)

地雷や災害で足を失った途上国の人たちが、
安く義足を使えるようにと、島根県大田市の
義肢装具メーカー「中村ブレイス」が、
風呂敷を応用した装着器具の開発に成功。

体の切断面を義足とつなぐ器具(ソケット)の製作には従来、
手間と費用がかかっていたが、10分の1以下の価格で買える。

従来のソケットは、シリコン袋に連結用ピンを取り付けた「断端袋」。
ピンで、切断面を義足本体に固定。
ピンは軽合金製で、袋は切断面に合わせて作るため、
10~20万円かかっている。

同社は、日本古来の風呂敷に着目。
約50cm四方のシリコン製の布で切断面を包み込み、
余った部分の布をたたみ込んで、そのまま義足にはめ込む。
シリコンの摩擦力が働き、義足本体とぴったりフィット。
断端袋のようなサイズ合わせは不要、ピンで固定する必要がなく、
途上国でよく使われている木製や竹製の
単純な構造の義足にも応用できる。
開発したソケットは、日本や米国、中国、EU、インドに特許を出願。

中村ブレイスは、両足を失ったモンゴルの少年に無償で
特注の義足を贈るなどの活動を続けている。
地雷被害が絶えない貧しい地域での義足の需要の高さと、
日本製の高性能の義足の高コストにギャップを感じ、
安価で安定した義足の普及に取り組んできた。

NPO「地雷廃絶日本キャンペーン」によると、
現在も80以上の国と地域が地雷問題を抱え、
08年、世界で5197人が地雷や不発弾で死傷。

同社の中村俊郎社長は、
「毎年多くの人が地雷被害や災害で、体の一部を失っている。
高価な義足を買えない人たちの社会復帰を助けたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/22/116328/

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