(読売 2月3日)
専任の司書教諭を置き、読書活動を充実させる。
児童が、数人ずつのグループに分かれ、「読書座談会」を始めた。
1人が自分の読んだ本の主人公やあらすじを話すと、
聞いていた児童らが、「すごくいい話」、「かわいい」と目を輝かせた。
北海道恵庭市立柏小学校の図書館で、6年生の国語の授業。
狙いは、本の面白さをお互いに伝え合うこと。
手にした本は、歴史やファンタジーなどジャンルも様々、
どれも付せんだらけ。
子どもたちはページをめくりながら、楽しそうに話していた。
授業後、高橋みづきさん(12)は、「ぜひ読みたいと思った」と
友達の本に興味津々。
本が好きという守谷佑太君(12)も、
「改めて本の面白さを知った」
担任と一緒に指導していたのは、司書教諭の小川英子さん(32)。
担任と兼任だったこともあるが、昨年度から専任。
「専任になったおかげで、準備に時間をかけられ、
内容を充実させられる」
2年生では、学校や市立の図書館に出かけて図書館の使い方を学び、
3年生では図鑑を使ったクイズ形式の問題を作り、
目次や索引に慣れる。
6年生では、本の内容を紹介する本の帯づくりも。
図書館の前に、小川さんが作った「お話クイズ」も並ぶ。
本ごとに、3問程度のクイズを出したプリントを作っている。
いずれも、本を読めば分かる内容、本に関心を持ってもらう試み。
恵庭市は、市内の全小中学校に学校司書を配置、
読書に力を入れている。
読書教育などを行う司書教諭を専任として配置するのは、
市内の小中で同小だけ。
司書教諭は、公立校では担任などとの兼任が多く、
全国的にも専任は珍しい。
「司書教諭は専任でないと、広く仕事ができない」と田中剛校長(60)。
同小に6年間勤務している学校司書の高橋辰美さん(50)も、
「図書館の本を、授業で使う機会が増えた。
教科書や児童に合った本を使ってもらっている」
同小では毎年秋、「読書まつり」を開いている。
クラスごとに児童1人1人が顔写真入りで、お薦めの本を紹介、
学校挙げての取り組み。
教師による読み聞かせも、今は通年で20回以上を行う。
昨年度の1人あたりの貸し出し冊数は約54冊、
児童へのアンケートでは、9割が本が好きと答えた。
「授業でもっと図書館を活用できるようにし、
子どもたちが本に対していい印象を持ってくれれば」と小川さん。
田中校長も、「本を読むことは、生涯必要なこと。
本が好きな子をじっくりと育てていきたい」
◆司書教諭
学校図書館を利用した読書教育、図書館の管理などを行う教員。
学校図書館法で、小中高で12学級以上に配置が義務づけ。
計10単位の専門の講習を履修すると、取得できる。
「学校司書」は、主に図書の貸し出しや蔵書の整理などの
事務的な仕事を行うが、配置に制度上の定めはない。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100203-OYT8T00645.htm
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