2010年3月1日月曜日

楽しい図書館(2)司書専任で指導充実

(読売 2月3日)


専任の司書教諭を置き、読書活動を充実させる。

児童が、数人ずつのグループに分かれ、「読書座談会」を始めた。
1人が自分の読んだ本の主人公やあらすじを話すと、
聞いていた児童らが、「すごくいい話」、「かわいい」と目を輝かせた。

北海道恵庭市立柏小学校の図書館で、6年生の国語の授業。
狙いは、本の面白さをお互いに伝え合うこと。
手にした本は、歴史やファンタジーなどジャンルも様々、
どれも付せんだらけ。
子どもたちはページをめくりながら、楽しそうに話していた。

授業後、高橋みづきさん(12)は、「ぜひ読みたいと思った」と
友達の本に興味津々。
本が好きという守谷佑太君(12)も、
「改めて本の面白さを知った」

担任と一緒に指導していたのは、司書教諭の小川英子さん(32)。
担任と兼任だったこともあるが、昨年度から専任。
「専任になったおかげで、準備に時間をかけられ、
内容を充実させられる」

2年生では、学校や市立の図書館に出かけて図書館の使い方を学び、
3年生では図鑑を使ったクイズ形式の問題を作り、
目次や索引に慣れる。
6年生では、本の内容を紹介する本の帯づくりも。

図書館の前に、小川さんが作った「お話クイズ」も並ぶ。
本ごとに、3問程度のクイズを出したプリントを作っている。
いずれも、本を読めば分かる内容、本に関心を持ってもらう試み。

恵庭市は、市内の全小中学校に学校司書を配置、
読書に力を入れている。
読書教育などを行う司書教諭を専任として配置するのは、
市内の小中で同小だけ。
司書教諭は、公立校では担任などとの兼任が多く、
全国的にも専任は珍しい。

司書教諭は専任でないと、広く仕事ができない」と田中剛校長(60)。
同小に6年間勤務している学校司書の高橋辰美さん(50)も、
図書館の本を、授業で使う機会が増えた。
教科書や児童に合った本を使ってもらっている」

同小では毎年秋、「読書まつり」を開いている。
クラスごとに児童1人1人が顔写真入りで、お薦めの本を紹介、
学校挙げての取り組み。
教師による読み聞かせも、今は通年で20回以上を行う。
昨年度の1人あたりの貸し出し冊数は約54冊、
児童へのアンケートでは、9割が本が好きと答えた。

「授業でもっと図書館を活用できるようにし、
子どもたちが本に対していい印象を持ってくれれば」と小川さん。
田中校長も、「本を読むことは、生涯必要なこと。
本が好きな子をじっくりと育てていきたい」

◆司書教諭

学校図書館を利用した読書教育、図書館の管理などを行う教員。
学校図書館法で、小中高で12学級以上に配置が義務づけ。
計10単位の専門の講習を履修すると、取得できる。
「学校司書」は、主に図書の貸し出しや蔵書の整理などの
事務的な仕事を行うが、配置に制度上の定めはない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100203-OYT8T00645.htm

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