(読売 2月4日)
校舎の中心に図書館を置き、様々な学びに活用。
理科の授業が始まって10分後、4年生の児童24人が
おもむろに席を立ち、隣接する「メディアセンター」に移動。
千葉市にある私立幕張インターナショナルスクール。
4年生を受け持つジョディ・クラーク教諭(27)は授業の初め、
電子黒板を使い、乾電池と豆電球を使った
電気の回路について英語で説明。
教室にいるのはここまで。
続きが行われるのは、約8000冊の図書と
24台のノートパソコンを備えたメディアセンター。
児童は、それぞれインターネット上で実験を体験する
学習用サイトに接続、乾電池のボルト数を変えるなどして、
電気が流れる仕組みや明るさの変化を学習。
その後、実際に回路をつないで豆電球を光らせた。
「講義を受けるだけの授業では、学ぶ効率が悪い。
子供たちにいろいろな機会を与えることが大事」
ポール・ロジャーズ校長(46)が教育方針を説明。
2009年4月に開校した同校は、文部科学省が定める
学習指導要領に基づいて授業が行われ、小学校卒業資格が
得られる全国初のインターナショナルスクール。
外国籍を持つ子どもや帰国子女が幼小一貫で学び、
国語以外の授業はすべて英語。
多様な学び方を象徴するのが、センターの積極的な活用、
4年生の場合、週35コマの授業のうち、
少なくとも8コマでセンターを使う。
それを容易にしているのが、センターと教室の位置関係。
高学年棟の中心に置いたセンターをぐるりと取り囲むように、
4~6年生用の教室を配置。
どの教室からも、等距離でセンターに行ける仕掛け。
ロジャーズ校長は、「高学年は、リサーチをする機会が多い。
自ら学び、創造性を育んでほしい」
この日は、4年生の近くで2年生18人が本を広げて
外国について調べ、コーディネーターが
各教諭のまとめ役として事前の調整に当たる。
センターを使った授業は、児童に人気。
4年生(10)は、「先生から『メディアセンターで授業をする』と聞くと、
ワクワクする」、受け身にならない学びを楽しんでいる。
福岡市にある中高一貫の西南学院も、
03年、校舎新築の際、中央に開放的な図書館を置いた。
4階までの吹き抜け構造で、「図書館は学校の要」
(中根広秋副校長)という理念を体現。
約7万冊の蔵書があり、調べ学習のほか、
校舎内を行き来する際に立ち寄る生徒も多い。
03年度、6870冊だった貸し出し総数は、08年度は1万冊超。
「危機に直面した時、乗り越える手がかりを与えてくれるのが本」
と説く中根副校長は、「図書館に来る生徒が圧倒的に増えた」と
変化を歓迎する。
校舎の片隅で脇役に甘んじることの多かった図書館が、
その存在感を高めている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100204-OYT8T00491.htm
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