(日経 3月1日)
セイコーホールディングス子会社で、掛け時計や置き時計を
手掛けるセイコークロックが、新たな製品開発の方針。
単に「時刻を知る」だけではない魅力を加え、
買い替えや買い増し需要を喚起。
携帯電話の普及で、加速する市場の縮小を食い止めようとしている。
商品企画を担当する福室幸一取締役に、具体策を聞いた。
——掛け・置き時計の市場動向は?
「国内は縮小している。
ほとんどの家庭には、すでに掛け時計も置き時計もあり、
壊れなければ買い替えない。
若い人は、携帯電話のアラーム機能を目覚まし時計の代わりに使う。
時刻を知ることに困っている人はもういない。
だからこそ、プラスの魅力を打ち出さなければいけない」
——プラスの魅力とは?
「1984年、発売した『ピラミッドトーク』が象徴的な商品。
一見、時計にはみえないが、先端を押すと音声で教えてくれる。
便利さよりも、楽しさで受けたのだと思う。
標準電波を受信して、時刻を合わせる機能などを加え、
昨年末に25年ぶりに復活」
「防災用の置き時計。
中途半端にラジオを聞けるだけにするのではなく、
手動の発電機、懐中電灯、携帯電話のコネクターなど
『フル装備』に仕上げた。
昨年末、海をイメージした動画を壁や天井に映し出す
ドーム形の時計を、タカラトミーと共同で開発。
買ってもらうため、従来のクロックの枠にとらわれない
ものづくりが重要」
——時計に娯楽の要素を加えるなら、販路も変える必要がある。
「それも課題のひとつ。
セイコーは、時計店や百貨店の販路が強いが、
これらの製品が売れる場所は別にある。
広告宣伝の手法も、考えなくてはいけない。
ウェブを使えば、費用をかけなくても効率的に伝えられるのでは。
どう顧客と接点をつくっていくかを検討」
——今期も、クロック事業は営業赤字の見通し。
製品の魅力向上に合わせて、どう収益を改善していくのか?
「リーマン・ショック以降、100万円を超す高級機種の売れ行きが
激減し、利益を得にくくなった。
効率化を進めるため、機種数を絞り込んでいる。
国内外で別々だった低価格帯のブランドも、
これから5年ほどかけて1つにまとめていく」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100226.html
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