2010年3月7日日曜日

日中大学フェア&フォーラムが明らかにしたこと

(サイエンスポータル 2010年2月26日)

日本と中国の92に上る大学が参加した
「変貌する日中の大学-グローバル大競争・連携時代を迎えて-」
と題する日中大学フェア&フォーラム。

中国側の反応もよく、2月1日の人民網日本語版は、
「中日双方の大学に、全面的な交流のプラットフォームを提供」
と高い評価。

「日本と海外の大学が結んだ提携関係のうち、
中国の大学との提携数は、米国を抜いてトップ。
中国と海外の大学が結んだ提携のうち、
日本の大学との提携数は2位。
中日両国は、一衣帯水という地理的メリット、
アジアにおける経済的実力と研究条件の良さというメリットを活かし、
中日大学間の協力をさらに推し進め、
利益とメリットの発揮を促進していく」と、協力を歓迎。

日本の科学技術政策にかかわる人々の間では、
日本の科学技術水準維持には、中国との協力は不可避、
という声が高まりつつある。

これらの声は、人口減などの影響で研究者の層も薄くなると
予想される日本と比較し、中国の研究人材の豊富さが早晩、
決定的な差になって現れる、という見通し。
中国を含め、アジア諸国から見たら日本は、
ノーベル賞学者を輩出しているうらやましい存在、という声も。

アジア諸国との研究者交流が必要という考えでは一致、
日本自身の評価について、科学技術政策担当者と
一部の研究者には違いがある。
どちらか一方が正しいということでは、恐らくない。

基調講演を行った物理学者の楊福家・英ノッティンガム大学長は、
日本の学問の伝統を評価する一方、
中国でリベラルアーツ、基礎教育を重視し、
優秀な人材を育てる大学改革が進んでいることを強調。

日中両国だけでなく、欧米の研究の歴史にも詳しい
楊氏に、科学技術振興機構・中国総合研究センターの
米山春子フェローがインタビューした記事。

以下のような記述は、日本にも当てはまると感じる人も。
「基礎教育を改革しようとするなら、
中国の大学入試制度をまず改革しなければならず、
かつ基礎教育に携わるハイレベルの教師陣を養成する必要。

最近、中国のみならず、日本の大学も基礎教育への重視度が
まちまちで、薄まっている大学も。
学生の質が下がっていることをよく耳にするが、
これは基礎教育の問題。

基礎教育は、人文科学、自然科学、社会科学のみではなく、
個人の人格に結びついた知識やこれに関連した学問や芸術、
精神修養などの教育、文化的諸活動を含める教養の問題。

中国や日本の一部の大学には、
グローバル大競争の情報社会において、学問が細分化され、
基礎教育はあまり意味がなくなっている、という考えがある。
わたくしは、そうと思わない。
基礎教育は、生徒・学生が自分に最も適した道を
歩めるようにする助けになる。

よい学生を育成するには、基礎教育から取り組まなければならない。
体制と世論の面から基礎教育者を奨励し、
尊敬を受けられるようにすべき。
基礎教育、教育を強化してこそ、中華民族の復興は可能。
われわれの時代が、巨人を生み出す時代となることを心から望んでいる」

http://www.scienceportal.jp/news/review/1002/1002261.html

0 件のコメント: