(読売 6月16日)
フィギュアスケート女子の浅田真央(中京大)らの活躍で
盛り上がりを見せたバンクーバー五輪。
地元カナダの熱狂ぶりは、日本とは比べものにならない。
冬季五輪の開催国として、史上最多となる14個の金メダルを獲得。
最終日、国技とも言えるアイスホッケー男子の決勝で、
宿敵・米国を破ると、興奮は最高潮に。
それまでカナダは、勝負弱かった。
1976年のモントリオール夏季大会、88年のカルガリー冬季大会、
2度の五輪を開催したが、地元大会で金メダルはゼロ。
“3度目の正直”を目指し、「Own the Podium(表彰台を独占せよ)」
という計画を策定。
大会までの5年間、ウインタースポーツだけに
総額約1億1800万カナダドル(約100億円)を投じ、
最高の結果を残した。
2008年北京五輪では、12年五輪のロンドン招致に成功した英国が、
世界第4位となる19個の金メダルを獲得。
4年前のアテネ五輪の9個(世界10位)から躍進。
わずかの差で12年五輪のパリ招致を逃したフランスは、
アテネの11個から、北京の7個と振るわなかった。
英国は、ロンドン五輪に向け、年間約120億円の強化費を計上。
お家芸の自転車トラック種目で、七つの金メダルを獲得、
高温多湿の北京と同じ気候を再現する大がかりな練習施設まで作り、
選手を慣れさせる入念な準備が実を結んだ。
五輪招致が、どれだけ競技力の向上を後押しするか。
その力をまざまざと示した。
日本の強化費は、国からJOCへの補助金に限ると、
年間約26億円、世界トップの国々と比べ、4分の1~5分の1。
JOCは、長期の選手強化計画「ゴールドプラン」を作成、
2016年五輪の金メダル獲得数で世界3位という目標を掲げた。
北京五輪での世界8位から大幅にアップする数値の裏には、
16年五輪を東京で開催するという目算。
招致の失敗によって、多額の強化費は期待できなくなったが、
JOCは金メダル獲得数世界3位の目標を変えてはいない。
2020年五輪招致は、広島市が名乗りを上げているほか、
東京に再挑戦を求める動きも。
JOC副会長の福田富昭は、「これからのスポーツのあり方を
考えるためにも、五輪を国内で開くことは、そのきっかけになる」
強化サイドから、五輪を求める声は切実だ。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100616_01.htm
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