(岩手日報 6月22日)
県障がい児教育史研究会(田貝孝会長=前県立花巻養護学校長)
は、「岩手の障がい児教育史~特殊教育から
特別支援教育への発展~」を発刊。
ここ十数年間の活動を中心に紹介。
教育体制の確立や現場の取り組みを詳述した労作。
同研究会は、1996年「岩手の障害児教育史」を発刊。
今回は、その後の歩みを中心に記載。
近代教育における障害児教育についても解説、流れを把握できる。
この十数年間は、本の副題の通り「特殊教育から
特別支援教育への発展」という大きな変革期に当たる。
障害の多様化、重複化、重度化に対応。
障害種別の「特殊教育」から、一人一人の障害の状態・ニーズに
合わせた「特別支援」への移行。
世界の潮流や文科省の施策に呼応し、本県教育界も
体制整備や研究に努めてきた。
同書は、2003年に県教委が発表した
「県特別支援教育推進プラン」を紹介。
「厳しい財政事情の下での困難な事業であったが、
これまでの優れた実践の蓄積を土台として、
着実に具体化されつつある」
各校でも、独自の教育を充実。
当時の盲、聾学校の就学相談・支援機能センター開設、
養護学校の小学校への分教室設置、モデル事業などの動きを報告。
重度・重複障害教育の拡充、情緒障害・発達障害教育への光など
幅広く網羅した。
51年、県特殊教育研究会として発足した県特別支援教育研究会の
歩みも詳しく振り返った。
県内での研究大会、全国大会などを通して共有された
苦闘や希望がつづられている。
編集に当たっては、特別支援学校、小中学校の教師や、
大学、関係機関の約30人が執筆。
豊富な資料が盛り込まれた貴重な一冊。
変革期の中での教育史研究会の意義を、
「『不易と流行』理念を拠り所としながら、道を創造して
いかなければならない」と決意。
編集・刊行委員会の石田豊委員長(富士大教授)は、
「歩みの中には、さまざまな創意工夫がある。
歴史に学んで、新たな道を切り開いてほしい」
A5判。249ページのほか「発刊に寄せて」、「索引」など。
1部1500円で千部発刊。
石田委員長(富士大=電話0198・23・6221、石田研究室)へ。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100622_4
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