2011年2月27日日曜日

冬眠クマ、驚くほど省エネ 代謝活動は4分の1に

(2011年2月18日 共同通信社)

冬眠中のアメリカクロクマは、生命を維持するための
代謝活動が、通常時の4分の1のレベルにまで低下、
米アラスカ大フェアバンクス校などのチームが、
18日付の米科学誌サイエンスに発表。

体温の低下は、6度ほどにとどまっており、
動物は体温が10度下がると、代謝が半分程度に低下するとの
通説を覆す結果。

厳しい自然環境で暮らすクロクマの、驚くほどの"省エネ"が示された。
5~7カ月に及ぶ冬眠中には、筋肉や骨の量は減らないことが
分かっており、チームは今回のデータを骨粗しょう症防止の薬や、
将来の宇宙旅行などの分野に応用できるのではないか。

研究対象は、アラスカ中南部などで人里に近づき捕獲された5頭。
人工の巣に入れ、食べ物や飲み物は与えずに、
赤外線カメラや体内に埋め込んだ無線送信機で、
冬眠中の生態を調べた。

クロクマの通常の体温は、37~38度。
冬眠中は30度を下回ることはなく、数日間隔で30~36度の範囲を上下。
冬眠から覚める前には、36~37度に上昇。

代謝活動は、大幅に低下したまま推移。
心拍数も、通常時の1分間55回程度から14回程度に減っていた。
冬眠から覚めて2~3週間は、
体温が上がっても代謝活動レベルは半分ほど。

妊娠した雌の体温は、冬眠中でも高いまま。
胎児の成長には、体温の低下や変動は望ましくない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/18/132557/

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