2010年6月21日月曜日

大学の実力 就業力(2)「底力」高める授業選ぶ

(読売 6月11日)

20人も入ればいっぱいのコンパクトな教室。
テレビの番組表を手にした学生たちが、
画面に次々と映し出されるCMに見入っていた。

登場するタレントやBGMに注意を払うようアドバイスしながら、
学生を一人ずつ指名し、CMに込められたメッセージを
発表するよう促す講師。
「常に自分の意見を求められ、自分から発言しないと
授業が成り立たない」と女子学生。

東京女学館大学で行われた「メディアとジェンダー」は、
少人数による対話型の授業。
講師と学生たちとの活発なやり取りもさることながら、
ホワイトボードに大書された「コミュニケーション能力の向上」、
「クリティカル思考能力の向上」の文字が印象的。

同大は2008年度から、卒業成長値を高める
「10の底力」プログラムに取り組む。
コミュニケーション能力など、社会人として求められる
10の基礎力に注目。
非常勤講師を含むすべての教員が、授業で伸ばせる底力を
二つ選び、学生にシラバス(授業計画書)などで示している。

「学生は、自分の伸ばしたい力、ひいてはキャリアプランを
考えながら授業を選択することになる。
個々のニーズに合ったオーダーメード型のキャリア教育
プログラム推進責任者の加藤千恵教授(53)。
学生と教員は、半年ごとに10の底力の到達度をそれぞれ評価し、
レーダーチャートを作る。
それを基に、キャリアカウンセラーは学生に授業選択のアドバイス。

国際教養学科4年の小林真由美さん(21)は、
「どういう力を伸ばしたいかを考えながら履修登録することで、
卒業後のキャリアを自然と意識し、
自分は営業職に進みたいと気づいた。
レーダーチャートで自分の成長が分かるのも、励みになっている」

プログラムは、教員の教育力向上にもつながった。
「自分の授業を見直し、学生にどういう力を身につけさせたいかを
再確認させられた」
コミュニケーション能力とクリティカル思考を掲げ、
「メディアとジェンダー」を教える石山玲子・非常勤講師(57)。

大学の学びが、社会に出た後どのような力となって役立つか。
在学中はイメージしづらいその点を、はっきりと示したプログラムが、
学生の学習意欲を高め、キャリア形成を促している。

◆東京女学館大の卒業成長値を高める「10の底力」

〈1〉コミュニケーション能力、
〈2〉プレゼンテーション能力、
〈3〉ディスカッション能力、
〈4〉国際感覚・多文化理解能力、
〈5〉外国語運用能力、
〈6〉調査能力、
〈7〉IT能力、
〈8〉クリティカル思考、
〈9〉コンセプチュアルスキル(問題発見・提案・実行力)、
〈10〉自己理解能力

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100611-OYT8T00202.htm

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