2010年6月21日月曜日

自閉症、遺伝子コピーミスが原因 英大チーム解明

(2010年6月10日 毎日新聞社)

新生児100人に1人の割合で生じるとされる、
脳の機能障害「自閉症スペクトラム」が、
複数の遺伝子のコピーミスから起きる可能性があることが、
英オックスフォード大などの研究で分かった。
症状や問診をもとにしてきた診断法の改善につながる成果、
10日、英科学誌ネイチャー(電子版)。

自閉症スペクトラムは、他者とのコミュニケーションや
社会性の発達に遅れが見られる。
自閉症のほか、知的障害がなく特異な才能を発揮する
「アスペルガー症候群」なども含み、症状の多様さから
「スペクトラム(連続体)」と呼ばれる。

チームは、ヨーロッパ人の患者996人と健康な1287人の
ゲノムを比較。
その結果、父と母から一つずつ受け継ぐべき遺伝子が
一つ足りなかったり、三つになるコピーミスが、
患者は健康な人より平均19%多く、
健康な人ではめったに起きない遺伝子で起きていた。

コピーミスは、「コピー数多型」と呼ばれ、健康な人では
病気のかかりやすさや薬の効き方の個人差として表れる。
チームは、鍵となる遺伝子の複数のコピーミスが
発症につながるとみている。

理化学研究所の古市貞一・分子神経形成研究チーム長は、
「自閉症スペクトラムは、早期に診断されれば、改善が期待できる。
今回の成果は、科学的診断法確立に向けた基本情報になる
可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/6/10/121463/

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