2010年6月24日木曜日

花粉症の漢方薬「小青竜湯」のインフルエンザに対する有効性が明らかに

(日経ヘルス 6月11日)

花粉症によく使われる漢方薬の「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」
が、インフルエンザウイルスに対しても有効、
抗体産生を高めて感染を防御することと、
その際の有効成分が動物試験で明らかに。
「第61回日本東洋医学会学術総会」での発表。

実験では、マウスの7週齢のメスに、あらかじめ小青竜湯を
飲ませておき、インフルエンザウイルス(HIN1)を
上気道感染させたところ、感染の5日後に
鼻腔洗液中のウイルスが有意に低下した。
気道における抗インフルエンザウイルスIgA抗体価が有意に上昇。

IgA抗体産生を強める働きは、小青竜湯に含まれる生薬のうち、
半夏(ハンゲ、サトイモ科のカラスビシャクの塊茎)に強い。
半夏の成分を分析したところ、この働きは
脂肪酸のピネリン酸によるものだとわかった。

北里大学北里生命科学研究所和漢薬物学研究室の
永井隆之講師は、「ピネリン酸には8つの異性体があるが、
そのうちの2つを混合して経口投与した場合にだけ、
抗体産生が高くなった。
いずれか一方ではだめで、経鼻投与でもだめだった」

ピネリン酸には、インフルエンザワクチンの効果を高める
作用もあることが、永井講師らの研究でわかっている。

小青竜湯には、半夏のほかに麻黄(マオウ)も含まれ、
「麻黄剤」と呼ばれる漢方薬の一つ。
麻黄剤では、「麻黄湯(マオウトウ)」も代表的で、
こちらはすでにインフルエンザに対してよく処方。
麻黄湯には半夏が含まれないため、小青竜湯とは別の機序で
働くと考えられ、永井講師らは麻黄湯についても研究を進めている。

http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20100611/107471/

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