(日経ヘルス 6月11日)
花粉症によく使われる漢方薬の「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」
が、インフルエンザウイルスに対しても有効、
抗体産生を高めて感染を防御することと、
その際の有効成分が動物試験で明らかに。
「第61回日本東洋医学会学術総会」での発表。
実験では、マウスの7週齢のメスに、あらかじめ小青竜湯を
飲ませておき、インフルエンザウイルス(HIN1)を
上気道感染させたところ、感染の5日後に
鼻腔洗液中のウイルスが有意に低下した。
気道における抗インフルエンザウイルスIgA抗体価が有意に上昇。
IgA抗体産生を強める働きは、小青竜湯に含まれる生薬のうち、
半夏(ハンゲ、サトイモ科のカラスビシャクの塊茎)に強い。
半夏の成分を分析したところ、この働きは
脂肪酸のピネリン酸によるものだとわかった。
北里大学北里生命科学研究所和漢薬物学研究室の
永井隆之講師は、「ピネリン酸には8つの異性体があるが、
そのうちの2つを混合して経口投与した場合にだけ、
抗体産生が高くなった。
いずれか一方ではだめで、経鼻投与でもだめだった」
ピネリン酸には、インフルエンザワクチンの効果を高める
作用もあることが、永井講師らの研究でわかっている。
小青竜湯には、半夏のほかに麻黄(マオウ)も含まれ、
「麻黄剤」と呼ばれる漢方薬の一つ。
麻黄剤では、「麻黄湯(マオウトウ)」も代表的で、
こちらはすでにインフルエンザに対してよく処方。
麻黄湯には半夏が含まれないため、小青竜湯とは別の機序で
働くと考えられ、永井講師らは麻黄湯についても研究を進めている。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20100611/107471/
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