2010年6月24日木曜日

国境越えた"希望のパス" スーダンでサッカー教室

(2010年6月14日 共同通信社)

20年以上の内戦を経験し、現在も紛争を抱えるアフリカの
スーダンで、日本のNPO法人「ロシナンテス」(北九州市)が
子どものサッカー教室を開いている。

「新しい国をつくる世代に、夢を与えたい」
未来への"希望のパス"は、国境を越えて届けられた。

「サッカーは、ボール一つあればどこでもできる。
布きれをひもで縛れば、ボールになる」
理事長で医師の川原尚行さん(44)は、アフリカで人気の高い
サッカーに着目した理由。

紛争が続く西部ダルフール地方を訪れた2008年。
目にした光景に心打たれた。
「難民キャンプでも、はだしの子どもたちが目を輝かせて
サッカーをしていた」

09年1月、コーチ経験のある日本人スタッフを中心に、
首都ハルツームでサッカー教室を開設。
今は40~50人が参加。
同年3月、国内初となる女子チームの指導も始めた。

自身も、寄付集めに奔走。
約500個のボールやユニホームを、日本から持ち込んだ。
「『おまえらが新しい国をつくっていくんだ』と伝えたい。
1人でもプロ選手が出たら、希望を与えることができる」と川原さん。

Jリーガーの誕生が目標。
今は、内戦で分断されていたスーダンの北部と南部の
親善試合を計画。

来年1月の住民投票で、南部が国として独立する公算が大きい。
「試合で、子どもたちがお互いをたたえ合うことができれば、
国が二つに分かれたとしても、悲劇は繰り返さないはず。
サッカーは国境を越えるんです」

※ロシナンテス

外務省の元医務官で、2005年に退職した川原尚行さんが
中心となって設立した地域医療のためのNPO法人。
アフリカの日本大使館に勤務した経験から、
数人の有志とスーダン東部で活動を始めた。
06年、法人格を取得。
高校時代のラグビー部のチームメートらを中心とした
支援の輪が広がっている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/6/14/121608/

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