2010年9月16日木曜日

難病・障害の子、地元の学校へ…大阪、進む「医療的ケア」

(2010年9月3日 読売新聞)

難病や障害を抱え、たんの吸引などの「医療的ケア」を受けながら、
健常者と地元の小中学校に通う児童・生徒が、大阪府内で急増。
府が、独自で看護師資格を持つ介助員を配置したため、
今年度は計109人と、制度開始時の3倍。

全国的には同様の児童は、7都県で29人しかいないことも判明。
医療的ケアを巡る地域格差が浮き彫りになった形で、
支援者グループは、「特別支援学校だけでなく、
誰もが健常者と一緒に学べる環境を整えてほしい」と訴えている。

医療的ケアは、〈1〉たんの吸引、〈2〉経管栄養、〈3〉導尿補助、
の三つの介助行為で、医師や看護師、保護者が行える。

厚生労働省は2004年、看護師が配置された特別支援学校に限り、
看護師の指導による教員の実施を認めた。
府は、医療的ケアが必要な児童が、地元学校への就学を
望むことが多いことから、06年、看護師資格を持つ介助員を
一般の学校に配置する制度を導入。
初年度の利用者は、14市町で36人。

府内では、健常者と同じ学校に通う児童が今年度、
豊中市で16人、吹田市で11人、堺、箕面、茨木市が各7人など、
25市町で109人に増えていた。

豊中市では、市立豊中病院と連携して救急搬送に備え、
同病院の松岡太郎・小児科部長は、
「医療的ケアは、適切に行えば誰にでもできるが、
地域の病院などのバックアップ体制が重要」

大阪府以外の都道府県には同様の制度はなく、
市町村単位で介助員を配置するケースがあるものの、
利用者は仙台市の11人や埼玉県東松山市の4人など、
全国15市町で計29人。

医療的ケアを巡る支援態勢の遅れについて、
東北地方の担当者は、「地元学校を望む児童が増えれば、
財政負担も増える。介助員の確保も難しく、対応しきれないのが実情」

「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)」(箕面市)の
折田みどり事務局長は、「地元学校の教員にも、
一定の条件下で医療的ケアの実施を認めるなど、
国レベルの支援態勢を検討すべきだ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/3/124935/

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