2010年9月16日木曜日

セカンドキャリア:シンクロ五輪銅メダル・田中さん、引退選手の「第二の人生」支援

(毎日 9月1日)

シンクロナイズドスイミングの88年ソウル五輪銅メダリスト、
田中ウルヴェ京(みやこ)さん(43)が、引退したアスリートの
セカンドキャリア(第二の人生)支援事業に取り組んでいる。

これまでもセミナーなどで指導していたが、
今回新たに奨学生制度を導入。
書類選考や面接を通過した元アスリートの、
民間資格の取得費用を負担する。

日大4年でメダリストとなり、卒業とともに現役を引退した田中さん。
「メダルを取ることがすべて。
その先のことは何も考えていなかった」と振り返る。
シンクロ指導の傍ら、留学した米国の大学で学んだ心理学で、
目からうろこが落ちた。
アスリートに対するセカンドキャリア支援が確立されていたから。

「自己をどれだけ認識できるかがカギ」と田中さん。
元アスリートは、ずっとスポーツに打ち込んできたため、
同年代の人々と同じ仕事のスキルがあるとは限らない。
過度なプライドを持ったまま就職すると、
「なぜメダリストがこんな仕事をしなくてはならないのか」との
失望感を抱く羽目に。

アスリートや一般人を問わず、そんなストレスへの対処法が
「コーピング」。
「問題に対処する」という意味の英語「コープ(COPE)」が語源、
田中さんが留学した米国では広まっているが、
日本ではまだなじみが薄い。
田中さんは、06年から独自にそのコーチを認定、養成。

これまでは主に、コーピングを通してセカンドキャリアを支援、
「実際の職を用意することも必要」と、
コーチへの道を開く奨学生制度を導入。
コーピングコーチ資格取得(約21万円)のほか、
米ネバダ州立大認定のピラティス指導者資格取得(約32万円)の
費用を全額負担するコースも。

対象は、国体か全国高校総体以上の出場経験を持つ
35歳以下の元アスリート。
毎年2回の募集を予定、今回の締め切りは今月15日。
田中さんは、「何かに打ち込んだ経験がある人は、ポテンシャルも高い。
次の人生を切り開くきっかけとして、この制度を利用してほしい」

問い合わせは、MJコンテス(03・3447・2890)へ。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/09/01/20100901dde035050065000c.html

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