2010年9月15日水曜日

コレステロール値 「高い方が死亡率低い」

(2010年9月3日 毎日新聞社)

動脈硬化の原因の一つとされるコレステロールについて、
日本脂質栄養学会(理事長=浜崎智仁・富山大学和漢医薬学
総合研究所教授)が、「総コレステロール値または
LDL(悪玉)コレステロール値が高い方が、総死亡率が低い」とする
研究成果をまとめた。
第19回日本脂質栄養学会で発表。

日本では、狭心症などの持病がない場合、
血中のLDLコレステロール値が140mg以上で、高脂血症と診断。
日本動脈硬化学会が07年に定め、
厚生労働省や多くの医療現場が基準値として採用。

浜崎教授らは、東海大学が伊勢原市の老人基本健診受診者
(男性8340人、女性1万3591人)を、平均7・1年間追跡した
調査などを分析。

男性では、LDLコレステロール値が79以下の人より、
100~159の人の方が死亡率が低く、女性ではどのレベルでも
ほとんど差がないとの結果。

茨城県などが、冠動脈疾患や脳卒中の既往歴のない男女約9万人
(40~79歳)を対象、平均10・3年間追跡した調査でも、
冠動脈疾患死とコレステロール値との因果関係はみられなかった。

脂質栄養学会は昨秋、浜崎教授を委員長に、
「長寿のためのコレステロールガイドライン策定委員会」を設置。
「特別な場合を除き、動脈硬化性疾患予防に、
(コレステロール値)低下目的の投薬は不適切」などとする内容を
盛り込むことを検討。

特に、投薬治療を受けている患者の約6割を占める女性は、
閉経後に30~40mgは上昇するとされ、
基準値に男女差がないことも問題視。

今後、各方面の意見を聴き、来年度に学会として
正式なガイドラインを発表する予定。

浜崎教授は、「日本でコレステロール値を下げる薬の売り上げは、
年間約2500億円。
関連医療費も含めると、7500億円を上回る。
この中には、多額の税金も投入され、無駄と思われる投薬はなくすべき

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/3/124948/

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