2010年9月20日月曜日

ミツバチ減少に関連か?体内温度センサー発見

(サイエンスポータル 2010年9月16日)

ミツバチが、温度と嫌いな物質を敏感に感じ取るセンサーを
持っていることを、名古屋大学大学院と自然科学研究機構
生理学研究所の研究者が突き止めた。

門脇辰彦・名古屋大学大学院生命農学研究科准教授と
富永真琴・自然科学研究機構 生理学研究所教授が発見した
センサーは、AmHsTRPAと呼ばれるイオンチャネルで、
ミツバチの触覚の中に見つかった。
34℃付近で、AmHsTRPAが活性化することが確かめられた。

このイオンチャネルは、遺伝子重複により
ミツバチが進化の過程で獲得したと見られる。

ミツバチは変温動物で、個体間の協調により巣箱内の温度を
常に35℃付近に保つことができる。

これによって、巣箱内の卵、幼虫、さなぎの発生や成長が保たれ、
どのようにして巣箱内外の温度を感じているのかは、
これまで分かっていなかった。

この数年、世界各地でミツバチが急激に減少する現象が見られ、
果樹栽培農家などが受粉のために購入するミツバチの価格急騰や、
ミツバチそのものが手に入りにくくなるという深刻な事態。

AmHsTRPAの働きを阻害する物質が巣箱内にたまると、
ミツバチは巣箱内の温度を感知することができなくなり、
巣箱内の温度を一定に保てなくなる結果、
卵、幼虫、さなぎが死んでしまう。

活性化する物質が巣箱内に蓄積しても、
ミツバチは巣箱を放棄してしまう可能性があることから、
AmHsTRPAの働きに影響を与える物質が、
ミツバチ減少の要因となっている可能性も考えられる。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1009/1009161.html

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