2010年9月25日土曜日

「平泉は宝」町民一つ 世界遺産へ熱い思い

(岩手日報 9月10日)

世界遺産は町民の願い-。
2011年の世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」の
国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が終わった。

08年の「登録延期」から2年。
町民の間には古里平泉を見直し、歴史と文化に理解を深める
活動が続けられてきた。
登録への重要な節目に、町民それぞれの熱い思いがあふれた。

古都ひらいずみガイドの会の岩渕洋子さん(70)は、
2年前の登録延期を、「皆、登録を願っていたので、
涙が出る思いだった。登録実現は悲願」と強調。
「町の魅力を伝える喜びを、若者にも引き継ぎたい」と、
世界遺産登録後を見据え活動の充実を誓う。

藤原清衡の平和思想を形にしようと活動する平泉夢灯りの会の
代表升沢博子さん(59)も、「住民が草の根で、登録への機運を
盛り上げていきたい」と、イコモスの調査を機に思いを強くする。

世界遺産登録を願う気持ちは、子どもたちも一緒。
毛越寺周辺の環境美化や、地域の歴史に理解を深める
学習を行う平泉小
児童会長の佐々木美羽さん(6年)は、
「どうやって清衡が平泉を平和にしたか勉強し、
自分の町が好きになった。
藤原氏が眠る金色堂が好き。
今度こそ、世界遺産になってほしい」と笑みを広げる。

総合学習に、「平泉学」を取り入れる平泉中のPTA会長
菅原政俊さん(42)も、「子どもたちは、平泉学を通し、
郷土愛をはぐくんでいる。
イコモスの調査にも関心が高く、登録実現を皆、期待している」、
生徒の喜ぶ顔を思い浮かべる。

中尊寺の「不滅の法灯」に使う菜種油の奉納を目指す、
平泉なのはな会事務局長の畠山勝彦さん(45)は、
「まちづくりは、世界遺産登録の可否にかかわらず大切」と
冷静に受け止める。

「登録延期は、住民が自分たちの町の魅力に気付くきっかけに。
町民の意識は、前回調査時とは全然違う」と2年間を振り返り、
自分たちが大切にしているものが、世界遺産として
評価されることは誇りになる」と力を込める。
世界遺産の町を願う町民の心は一つ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100910_6

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