2010年9月23日木曜日

学習塾は今(8)新聞、英検…独自の補習

(読売 9月16日)

「日本の食料自給率が下がった原因は何かな?」、
「自給率が低いと、どんな問題が起こるの?」

講師の様々な問いかけに、辞書を引きながら新聞を読んでいた
子どもたちが、思い思いの意見を述べている。
学習塾「京葉学舎」(千葉市)。
小学校高学年の5人が、新聞を活用した夏期の特別授業。

京葉学舎は、学校の勉強を補う補習塾。
現在、地元を中心に千葉市近隣から小学4~6年生31人が通う。
いずれも1クラス5人前後の少人数指導で、5、6年生は週2日、
国語、算数など4教科を学んでいる。
1日の授業時間は、午後5時から2時間弱と、
大手進学塾の半分程度。

近年、積極的に進めているのが、NIE(新聞活用教育)。
「言語力や読解力などの国語力は、どの教科でも必要。
その手法として、NIEに力を入れている」、皆倉宣之塾長(68)。
「中小の補習塾が生き残っていくためには、
独自色を打ち出していかなくてはならない」とも明かす。

画一化しがちな公教育には限界があり、それを補うのが
学習塾の重要な使命」、全国20余りの中小塾でつくる
塾教育研究会代表でもある皆倉塾長。
「学校での勉強に、悪影響を及ぼしかねない行き過ぎた受験指導は、
本来あるべき塾の役目を逸脱している」と批判。

補習塾として英語教育を取り入れているのが、
朝日学習館(川口市)。
小学1~6年生65人の塾生のうち、全学年から計40人が
国語、算数に加え、英語の授業を受けている。
英検受験指導も行い、5~6年生時点で半数が同4級に合格。

「補習に加え、将来必ず役立つ英語力を早い段階から磨く場を
提供することが、塾のカラーを鮮明に」と、梶原賢治塾長(60)。
「地域の小学校に、指導のノウハウを提供するなど連携していきたいが、
公教育側からの歩み寄りがなく、なかなか難しいのが現状」

中学受験人気を背景に、大手進学塾が注目を集める中、
中小の補習塾の模索が続いている。

◆メモ

全国学習塾協会によると、子どもの塾通いは1970年代前半に
目立つようになったが、当時は地元にある中小の補習塾が中心。
80年代、校内暴力やいじめ問題による公立校不信と
私立中学受験熱の高まりなどを背景に、進学塾が勢力を伸ばし始めた。
進学塾は、その後もゆとり教育への不安などを追い風に、
事業の拡大が続いた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100916-OYT8T00217.htm

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