2010年9月19日日曜日

健診でストレスチェック うつ兆候あれば面接 企業に義務付け

(2010年9月8日 共同通信社)

企業が実施する職場の定期健康診断で、
職場に起因するストレスを調べる方法を、
厚生労働省の検討会がまとめた。

医師の問診で、うつ病の兆候を確認し、所見があれば
従業員が産業医などと面接、精神疾患が疑われる場合、専門医を受診。
近く労働政策審議会に報告し、早ければ2011年度中に
必要な法改正を目指す。

仕事のストレスが原因の精神疾患が悪化したり、自殺を防ぐのが狙い。

定期健診に併せ、「食欲がない」、「よく眠れない」、「憂うつだ」、
「イライラしている」などの質問をするよう義務付ける。
医師が問診で必要と判断した場合、本人に通知し、
従業員は産業医と面接する。
プライバシーに配慮し、事業者には症状や不調の状況を知らせない。

面接の結果、精神疾患の疑いがある時は、
産業医などが専門医を受診するよう本人に勧める。
本人が同意した場合に限り、産業医は事業者に配置転換や
時間外労働の制限、要休業などを助言、
事業者が働く環境の改善につなげる。

企業の健康診断は、労働安全衛生法で年1回の実施が義務付けられ、
血圧や肝機能など、検査する項目が規則で定められている。

「食欲がない」などの質問は、現在でも身体の不調を診るため
盛り込まれているが、ストレス反応を浮き彫りにするため、
質問項目を増やしたり、期間や重症度などを具体的に聞いたりする。

政府は、2020年までに「メンタルヘルスに関する措置を受けられる
職場の割合100%」との目標。
厚労省の07年の調査によると、仕事に関して強い不安、悩み、
ストレスがあるとする労働者の割合は約58%、
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、約34%。

厚労省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が、
自殺防止対策をまとめ、検討会で議論。

※職場の定期健康診断

労働安全衛生法は、原則として1年に最低1回、
従業員の定期健康診断を事業主に義務付け。
違反すると、50万円以下の罰金。
労働者にも受診義務はあるが、罰則はない。
身長や体重の測定、血糖検査、尿検査など実施すべき項目は、
労働安全衛生規則で定められている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/8/125217/

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