2010年9月20日月曜日

スマートフォンで迅速対応/脳血管疾患救急時の情報共有 慈恵医大と富士フイルムがシステム開発

(2010年9月10日 Japan Medicine(じほう))

脳卒中や脳梗塞の患者が、救急搬送されてきたとき、
専門医が病院外にいても、そのアドバイスを受けながら
院内のスタッフで素早い対応に当たりたい。

東京慈恵会医科大と富士フイルムが、iPhoneやiPadを利用した
システム開発に取り組んでいる。
来年1月をめどに、システムを完成させたい。

慈恵医大で開発に取り組んでいるのは、
脳神経外科学講座の高尾洋之医師。
脳卒中や脳梗塞など、脳血管障害を発症した患者は、
適切な薬剤投与や血管内治療を手掛ける時間が早いほど、
後遺症が軽くなる可能性が高い。

ベテランの専門医が、院内に24時間常駐する体制を整備するのは
容易ではない。
高尾氏は、院内の患者が脳血管障害だと判明した段階で、
院内外の医療スタッフに緊急事態だと伝え、
患者の診断画像や治療状況を共有できるシステムを構想。

システム名は、「i-Stroke」。
富士フイルムは、医療用画像処理などで培った技術で、
システム実現化に協力。

現在、慈恵医大病院の脳外科医、放射線科医、放射線技師ら
25人がiPhoneを持ち、一部のスタッフはiPadも所有する。
患者が脳血管障害だと分かった時点で、緊急を告げる
メッセージがiPhoneに送信され、各医療スタッフは患者の
性別、年齢のほか、脳の3次元画像、医療行為の状況、
発症後の時間などをリアルタイムで把握できる。

iPadでも、情報を知ることが可能。
専門医が院外にいても、院内スタッフに適切な指示を出しやすくなり、
医療行為を複数の目でチェックすることにもつながる。

7月中旬から試験運用を始め、9月7日までに5回の活用事例があった。
高尾医師は、運用結果に手応えを感じている。
「早急な対応ができれば、患者を救えるし、医療行為を複数が見ることで
医療スタッフ全員の責任感も高まる。
新しいメディカルインフォメーションの手段として確立させたい」と高尾医師。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/10/125427/

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