2010年11月21日日曜日

気仙郡のルーツに一石 陸前高田で講演会

(岩手日報 11月21日)

気仙登場1200年記念講演会(陸前高田市、同市教委主催)は、
市ふれあいセンターで開かれ、約300人が聴講。

国立歴史民俗博物館(佐倉市)の平川南館長が、
創設年代が不明な気仙郡について、
「715(霊亀元)年、郡役所設置の申請がなされた香河(かがわ)村と
無縁ではない」と講演。
東北古代史の解明に一石を投じた。

香河村については、歴史書「続日本紀」の記述で、
郡家(ぐんけ)(郡役所)の設置を律令国家側が認めたとあり、
「香河郡」になったことがうかがえる。
位置については、現在の宮城県の登米郡や黒川郡あたりとする
見方がこれまであったが、平川館長は否定。

平川館長は、713(和銅6)年に郡などの名称が、
「めでたい文字」に変更されたことを説明。
気力や仙人という言葉に象徴されるように、
「気仙」もめでたい文字とした上で、問題はそれ以前に
どんな文字表記がなされていたかだとした。

四国の香川郡(香川県)に言及し、「当時はケカワと読んでいた。
つまり、香という字はケと読んでいた。川はセンとも読める」と説明。
問題の「香河」に戻って、「ケセンと読めるかどうかは、今後の検討課題」
という表現にとどめながら、香河郡と気仙郡の深い関連を示唆。

同市気仙町のツアーコンダクター紺野文彰さん(59)は、
「気仙の前身は香河だ、ということを暗示したのではないか。
非常に興味深く、驚いた」

平川館長と奥州市埋蔵文化財調査センターの伊藤博幸所長、
えさし郷土文化館の相原康二館長によるてい談も行われた。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101114_5

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