2010年11月25日木曜日

漢方薬原料の調達先拡大 中国産の価格高騰で

(2010年11月19日 共同通信社)

日本の漢方薬メーカーが、原料となる生薬の調達先拡大に
本格的に乗り出している。
生薬は、中国からの輸入に80%以上を依存、
中国国内での需要増などを背景に、価格が高騰。
日本国内や東南アジア産の割合を増やしていく考え。

漢方薬大手のツムラは、北海道での生薬栽培を拡大する方針。
今年10月、夕張市に生薬製造工場を完成。
芳井順一社長は、「北海道は(生薬産地の)中国東北地方と緯度が近い。
栽培できるはずだと、社内に拠点作りを促した」

ツムラは、生薬の80%を中国から輸入。
日本国内産は15%、残りの5%はベトナムやインドネシアなどから調達。
国内栽培では、北海道のほか岩手、群馬、高知、和歌山の
各県にも拠点があり、今後は夕張を中心に強化。

人件費が安いラオスでの本格栽培も計画、
現地で試験栽培を実施。

中国政府は、生薬の乱獲で砂漠化が進行したとして、
約10年前から採取地域を限定したり、生薬の取引業者数を制限。
大幅な増産が見込めないこともあって、投機対象にも。
この1年で、価格が2倍以上になった生薬も多い。

クラシエ製薬も、漢方薬原料の約90%を中国に頼る。
担当者は、「今は現地の合弁会社を通じて、安定的に確保できている。
中国への依存が大きいことは事実なので、
日本国内での調達拡大を検討している」

生薬は、成分の含有量などで厳しい基準が各社ごとにある。
業界関係者は、「国内や東南アジアで生薬を栽培する場合、
試験栽培に長い時間が必要。
中国依存を、短期間で変えるのは難しい」と指摘。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128518/

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