2010年11月25日木曜日

(岩手)看護師流出ストップを

(2010年11月18日 読売新聞)

看護師の県外流出が止まらない。
県内の看護系大学や看護学校からの就職先は、
昨年度初めて、「県外」が「県内」を上回ったことが、
県医療推進課の調べでわかった。
全国的な看護師不足の中、新卒者の奪い合いが続いており、
県などが流出に歯止めをかけようと、知恵を絞っている。

県内で今年3月、看護職員を養成する大学、短大、
養成所施設の卒業生は612人。
就職先の内訳は、県外43・0%(263人)、県内42・6%(261人)、
進学が9・2%(56人)など。
県内への就職は、2003年度に50%を割り込み、減少傾向。

背景には、全国的な看護師不足がある。
厚生労働省のまとめでは、看護師(保健師、助産師含む)の
求人倍率は、10年4月時点で2・28倍、引く手あまたの状態。
1人でも多くの卒業生を確保しようと、県外の病院などが
県内の看護学校で就職説明会を開くことも多い。

県看護協会の兼田昭子会長は、
「今の学生は、都会志向が強い。
ホームページや説明会など情報も入りやすく、
PRがうまい関東の病院に流れがちだ」と分析。

こうした中、県内への就職を促そうと、
県と県看護協会は様々な取り組みをしている。
昨年度から、看護学生向けの就職説明会を始めた。
看護学生が卒業後、県内の主な病院で5年以上継続して働けば、
修学資金貸付金の返済を免除する制度があるが、
昨年度から、貸付枠を広げ、貸付額も増やした。

県外の岩手出身看護学生のUターン就職を増やそうと、
県外の学校にも、県内医療施設を網羅した
就職ガイドブックを送り始めた。
勤務制度の改善や研修制度の導入など、
待遇や職場環境の改善を図るところも出てきた。

兼田会長は、「地方も、医療技術が劣ることはなく、
仕事を丁寧に教える良さもある。
自分に合った職場を見つけてほしい」

県医療推進課の高橋勝重医療担当課長は、
「貸付金制度の拡充などの成果が今後、徐々に出てくるはず」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/18/128476/

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