2010年11月26日金曜日

カロリー制限で難聴予防 酵素関与の仕組み解明

(2010年11月19日 共同通信社)

摂取カロリーを抑えると、加齢に伴い聴覚が低下する
「老人性難聴」になりにくくなり、それには長寿に関係する
酵素がかかわっていることを、マウスの研究で解明、
田之倉優東京大教授らが18日付米科学誌セル電子版に発表。

老人性難聴は、内耳で音の刺激を電気信号に変換する
「有毛細胞」や、それを脳に伝える神経細胞が、
加齢とともに死滅するのが原因。

米国では、65歳以上の40%以上が発症、日本でも増えると予想。
教授は、「今回の結果は、老人性難聴の予防法や
治療薬の開発に役立つ」

田之倉教授らは、カロリー制限でマウスの寿命が延びるとの
研究報告や、長寿との関係が知られる「Sirt3」という
酵素を作る遺伝子に注目。

生後2カ月のマウスを使った実験で、与える餌のカロリーを
25%減らすと、10カ月後でも聴覚は正常だったが、
この遺伝子を働かなくしたマウスで同様の実験をすると、
大きな音しか聞こえなくなっていた。
カロリー制限をしない場合、いずれも大きな音しか聞こえなくなった。

難聴になったマウスは、有毛細胞や神経細胞が
生後2カ月の約25%に減っていた。

田之倉教授は、カロリー制限によってSirt3が活性化し、
聴覚にかかわる細胞が壊れるのを防いでいるとみている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128523

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