2010年11月26日金曜日

30代の仕事 運動も教える「何でも屋」

(2010年11月19日 読売新聞)

芳珠記念病院 医療サービス部健診課係長 森田 晃治さん(39)

「次はジャブ4発いきます。ワン、ツー、スリー、そう。
前にしっかり、打ったらすぐ戻す、OK」
ジャージー姿の男女の前で、インカムマイクを付け、
音楽に合わせて、ボクササイズの振り付けを披露。

ここはジムではない。
芳珠記念病院(能美市)の一室で、職員向けに初めて運動教室を開いた。
「異様なテンションでいきますけど、無理してついてこなくていいですよ」
軽快な動きと、テンポの良いかけ声が笑いを誘った。

専門学校を卒業後、二つのフィットネスクラブで計15年間勤めた。
事業統括マネジャーとして経営を任されるまでになったが、
新たに自分の経験が生かせる仕事をしたいと、
2年前、同病院の求人に申し込んだ。

現在は、健診課係長として、院内業務から住民向けの運動教室まで、
様々な仕事をこなす、自他共に認める「何でも屋」だ。

企業に出向き、人間ドックのスケジュールを調整したり、
ニーズに合った健康診断を提案したり。
インストラクター時代の経験を生かし、月に2、3回行う
地域住民向けの運動教室や講義は好評。

前職と比べ、「命に直結する現場のサポート。
何となくという思いでは務まらない」と意識の変化を挙げる。
裏方の仕事だけに、利用者の反応が直接返ってくるわけではないが、
「すぐに結果が見えなくても、続けていくことが来院者にとって大切」と
役割を認識する。

転職からわずか2年で、十数人を束ねる係長になったが、
「医療に関する知識が未熟。
もっと知識を増やさないと、同僚に迷惑をかけてしまう」と努力を続けている。

2009年9月から半年間、経営力を高めるという病院の方針で、
技術経営スクールに通い、異業種交流をして、ネットワークを築いた。
地元の里山を生かして健康を深めようと、里山作りをしている
「能美里山ファン倶楽部」に協力を呼びかけ、
「ヘルスアップハイク」を企画するなど、活動の場を広げている。

「能美市民や企業に認められるプレーイングマネジャーになって、
病院や能美市全体を活性化させたい」と夢を描く。

【上司から一言(上田 博 院長(63)】

スポーツインストラクターと栄養士の資格がある珍しい経歴の持ち主。
経歴を生かした病院らしくない企画を期待。
地域の皆さんへの健康教育は、病院の社会的責任。
院内では中堅なので、経営能力を高め、能美市民の役に立つ
仕事をしてほしい。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128557/

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