2011年2月21日月曜日

評価される先生(2)授業改善へ「満足度調査」

(読売 2月10日)

江東区立大島西中学校で昨年末、
今年度後期の授業評価アンケートが実施。
生徒が、先生の授業をチェックするもので、
「先生への通信簿」とも呼ばれている。

教科ごとに、授業が「工夫されているか」、「理解しやすいか」、
「興味がわくか」など7項目について、4段階で評価。
自由意見も記入。
1年の女子生徒(13)は、
「私たちがつけた評価を参考にしてもらえて、うれしい」

同中の授業評価制度は、2008年春に着任した
川原博義校長(51)が導入。
「教師の力を向上させていくには、生徒の目線で評価を受けることも大切」
以来、毎年、前、後期の2回、欠かさず実施。

当初、教員の間には戸惑いの声もあったが、
社会科の竹原真・主幹教諭(50)は違った。
「暗記ものと思われがちな社会科を、考える教科にしていきたい」、
同中に配備されたばかりの電子黒板に、資料やグラフを映し出し、
生徒に話し合わせる授業に力を入れていた。
生徒が、新しい授業スタイルをどう受け止めているか、ぜひ知りたかった。

初めての08年度前期調査で、竹原さんが教える2年生のうち、
「工夫」について、「満足」、「やや満足」と答えた生徒は87・6%。
「理解」は72・7%、「興味」は60・3%にとどまった。

竹原さんは、「新しいスタイルは受け入れられているが、
興味や理解を十分に引き出すには至っていない」と、改善に乗り出した。

生徒が新しく学んだことを消化できるように、
板書の内容をきちんと書き取る時間を、授業中に設けた。
授業に関連する動画を、インターネットで探し出し、
生徒に見せる機会も増やした。

こうした努力を重ねた結果、卒業前の09年度後期調査で、
興味は83・6%に大幅アップ。
工夫も93・1%、理解も82・8%に上昇。

竹原さんは、「生徒の評価は、教師自身が気づかない点を教えてくれる。
生徒の満足度が上がってくると、数値よりも、
自由意見が改善のヒントになった」

竹原さんが採った改善策も、自由意見にあった
「授業の進み方が早い」、「電子黒板で、もっと動画が見たい」など、
生の声を参考にした。

満足度が高いほど、保護者らは納得してくれるが、
さらに改善を図っていく上では、参考になりにくくなる。
そこに、生徒による授業評価のジレンマが芽生えつつあるようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110210-OYT8T00191.htm

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