2011年2月22日火曜日

宮城・仙台厚生病院、連携先に東北福祉大 医学部新設構想、政府容認待ち準備へ

(2011年2月16日 毎日新聞社)

医学部新設を目指す、仙台厚生病院(383床)は、
東北福祉大を連携先とすることを正式決定。

大学側も、「前向きに取り組んでいきたい」(渡辺信英学長補佐)。
大学の理事会で、今回の決定の受け入れを正式に承認すれば、
両者による医学部新設構想の具体的な準備が始まる。

文部科学省は、医学部新設を認めておらず、
実現には政府の方針転換が必要。

仙台厚生病院は、理事会で東北福祉大との連携を賛成多数で承認。
同大が、
(1)看護師養成課程を持っている
(2)既に大学付属病院「せんだんホスピタル」(144床)を保有している
(3)健康や福祉関連の学部を設置し、
医療系の教授や講師が20人を超えている--
との理由で、「連携先に最もふさわしい」と判断。

医療系スタッフが豊富で、入学後2年間の教養課程を教える
即戦力が充実、早ければ13年度に新設できる点も大きなメリット。

文科省は、新設を認めていないため、認可に必要な病床数の基準は
現時点で不明だが、仙台厚生病院は、
「既存の大学病院の病床数が600床以上だから、
少なくとも同数以上は確保したい」

せんだんホスピタルと合わせた病床数は、527床。
両病院には、脳外科や産婦人科、小児科など医師養成に必要な
診療科がそろっていないため、県内外の民間や自治体の病院とも
連携することで、さらに300床を追加、診療科も倍増させる考え。

文科省は、1979年の琉球大の認可を最後に、新設を認めていないが、
医師不足解消に向け、10年12月に専門家会議を設立、
容認の検討を始めている。

東北福祉大が、3月の理事会で連携を承認した場合、
病院側と大学側は、それぞれ「準備室」や有識者らで構成する
「諮問委員会」を設置、政府が容認に方針転換した場合に備える。

新設には、「教員確保のため、勤務医が減り、医療崩壊を助長する」
(全国医学部長病院長会議)と慎重な意見もあり、
専門家会議の議論の行方は不透明。

仙台厚生病院の目黒泰一郎理事長は、
医療の進歩とともに、一人一人の医師が扱う専門領域は
狭くなるため、将来的にも医師不足は続く。
解消のためには、医師の絶対数を増やさないといけない」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/16/132456/

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