2011年2月23日水曜日

虫歯原因酵素の立体構造解明

(サイエンスポータル 2011年2月18日)

虫歯の原因となる酵素「グルカンスクラーゼ(GSase)」の
立体構造を、静岡県立大学の伊藤 圭祐・助教、
伊藤 創平・助教らが突き止めた。

GSaseは、砂糖を粘着性の多糖であるグルカンに変える働き。
このグルカンが、食べかすや口腔細菌を巻き込んで歯垢をつくり、
歯垢内で口腔細菌が増殖し、口腔細菌がつくる酸が虫歯を進行させる、
という関係が分かっている。

GSaseが、特に変わった酵素ではないことが逆に災いし、
GSaseの働きだけを阻害する薬の開発が難しかった。

伊藤助教らは、まずこれまで難しかった均質なGSaseを、
大量につくり出すことに加え、界面活性剤を利用する方法で
結晶化することにも成功。

これによって、エックス線結晶構造解析が可能となり、
GSaseの立体構造を解明。

立体構造が分かると、GSaseに結合して、その働きだけを阻害する
物質を探し、あるいはつくり出す道が開ける。

GSaseがつくる歯垢は、虫歯だけでなく、口臭や歯周病、
誤嚥性肺炎の原因ともなることから、
今回の成果は、より効果的な虫歯を予防する物質の探索だけでなく、
予防医学的観点からも重要。

http://scienceportal.jp/news/daily/1102/1102181.html

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