2011年2月20日日曜日

評価される先生(1)優れた若手 積極表彰

(読売 2月9日)

「8分の3と6分の3は、どちらが大きい?」
香川大学付属高松小学校の3年の教室で、
仲西長代教諭(38)が、笑顔で問いかける。
なぞなぞを出し、児童たちを分数の世界へと引き込んでいく。

仲西教諭は昨年度、香川県教委から「優れた教育を行っている」として、
教育実践優秀表彰を受けた実力の持ち主。
2003年度以来、毎年4~7人が表彰、
仲西教諭は最年少の37歳で選ばれた。

評価されたのは、前任校である高松市立築地小学校での
3年間に及ぶ算数教育。

児童にカメラを渡し、下足箱のスリッパなど、
校内でかけ算が使える場面を探し出して撮影。
計算のポイントを図や文章でまとめた「かけ算のひみつ新聞」や、
「割り算絵本」を作らせたりもした。

毎日のように夜遅くまで、翌日の授業準備に精を出した。
その姿を見ていた校長の強い勧めで応募したところ、
61人の中から見事選ばれた。

ほとんどの都道府県は、同様の優秀教員表彰制度を設けているが、
40~50歳代のベテラン教師が選ばれがち。
香川県は、「若手にもチャンスを広げたい」と、
選考委員に保護者や地元経済界の代表ら「外部の目」を加え、
2次選考では、教員が自らの実践を委員の前で発表する
異色の方式を採った。

優秀教員に選ばれると、特別昇給をはじめ、
教員免許更新講習の一部免除、海外研修参加が
優先的に認められるなどの特典が与えられる。
新人教員対象の初任者研修などで、講師に呼ばれることも。
県教委は、「若い教員に助言するなど、リーダーとして活躍してほしい」

仲西教諭は、「選ばれたのは光栄ですが、まだまだ未熟なので、
努力していきたい。
いい意味でプレッシャーになっています」

異動した付属高松小では、築地小での実践を土台に、
さらなる授業研究に打ち込んでいる。

若くても実力ある教員を評価することは、教員全体の活性化につながる。
若手教員を積極的に評価する仕組みが広がることが期待。

◆優秀教員表彰制度

優れた成果を上げた教員を表彰する制度。
文部科学省の調査によると、2008年度、制度を設けている
都道府県や政令指定都市は計56。
同省でも06年度から、自治体推薦の教員らを表彰。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110209-OYT8T00167.htm

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