2011年3月8日火曜日

「早寝早起き」親の工夫が必要

(2011年2月25日 読売新聞)

なかなか実行できないのが、子どもの早寝早起き。

親の上手な働きかけや工夫が必要だ。
入園や入学を控えている家庭では、早めに生活のリズムを整えたい。

京都市の小学2年生の前田凪彩さん(8)は、今年1月から、
学校で配られた「早起き・早寝カレンダー」への記入を続けている。
毎日、起床と就寝の時刻を点で記し、
つなげて折れ線グラフにすることで、変化が見える。

これまで、夕食が午後8時、就寝が10時、起床が午前7時過ぎと遅め。
親子で話し合い、夕食を午後7時にしたところ、
就寝が少しずつ早まり、9時に寝られる。
姉や弟も刺激を受け、朝も声を掛け合って午前6時半には起き、
8時前の登校班の集合時間に遅れることもなくなった。

母親の栄美さん(38)は、「カレンダーでやる気が出た。
朝からせかさずに済み、子どもとの口論が減った」

早寝早起きは、子どもの成長にどんな意味があるのだろう?
兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院内にある
「子どもの睡眠と発達医療センター」のセンター長、
三池輝久さんは、「十分な量と質の高い睡眠を取ることは、
子どもの心身を育て、能力を発揮することにつながる。
そのためには、早寝と早起きがセットで必要

乳幼児期や小学校低学年までに必要な睡眠時間の目安は、
9~10時間。
「成長期の子どもは、夜間に熟睡することで、
脳細胞や神経の発育が促される」

同じ10時間でも、夜9時ごろ寝るのと夜ふかし後の
午前0時ごろから寝るのとでは、睡眠の質が違う。

起床後、頭が働き活動できるまでには一定の時間が必要、
「登園や登校の時間から逆算し、早めに寝かせなければなりません」

文部科学省などは、授業への集中力を高めようと、
2006年から、「早寝早起き朝ごはん」を提唱、
家庭にも働きかけている。

行動に移すための具体的なポイントは何か?

保育関係者や小児科医らでつくる「子どもの早起きをすすめる会」の
発起人で、南和歌山医療センター小児科医の星野恭子さんは、
まずは早起きから。
思い切って普段より1時間ほど早く子どもを起こして、
それを1週間続けると、次第にリズムができる。
起床や就寝の時間を記録すれば、行動を振り返りやすい

仕事で帰宅が遅い親も多く、寝かせる時間も遅くなりがち。
「難しいとは思うけれど、子どもと一緒に寝て、
朝早く起きて家事をしたり、触れ合ったりするなど、
生活リズムを合わせるよう努めて。
早寝早起きは、子どもの健やかな成長につながるので、
家族全員で協力して、身につけてほしい

◆子どもに早寝早起きをさせるポイント(星野さんの話を基に作成)

〈1〉朝、カーテンを開けて日光を浴びさせる。
体内時計をリセットする効果がある。

〈2〉朝食にスープなど子どもが好きなメニューを作り、
「できたよ」と言って起こす。

〈3〉昼間たっぷり活動させる。

〈4〉夜遅い時間のテレビ番組を見たい場合は録画する。

〈5〉ゲームは「夜8時まで」などとルールを決める。

〈6〉寝室を暗くする。

〈7〉絵本の読み聞かせや子守歌、おやすみのあいさつなど
「入眠儀式」を設けるのも効果的。

〈8〉安心して眠れる環境が大切なので、小学生でも添い寝していい。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/25/132893/

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