2011年3月12日土曜日

ナノチューブの新しい作製法

(サイエンスポータル 2011年3月1日)

新しいセンサー材料や電子デバイスなどへの応用が期待されている
ナノチューブの新しい作製法を、
京都大学と高輝度光科学研究センターの研究グループが開発。

京都大学大学院理学研究科の北川 宏・教授、大坪 主弥・研究員
らは、
金属イオンや有機分子から成る金属錯体をつなぎ合わせる
ボトムアップ法と呼ばれる手法で、
微細な筒状物質「ナノチューブ」をつくり出すことに挑んだ。

白金イオンとビピリジン、エチレンジアミンから成る
一辺約1nmの正方形状の金属錯体と、ヨウ素を室温で反応させ、
正方形状の金属錯体が、ヨウ素を介してつながった
四角柱状のナノチューブを作製することに成功。

このナノチューブは、筒状の内孔部に水やアルコールの分子を
取り込める一方、窒素や二酸化炭素の分子は取り込めない。

ナノチューブは、さまざまな分子を取り込んで吸着する性質以外にも、
導電性や高い耐久性を持つことから、
電子デバイス材料への応用が期待。

今回の成果は、構成要素(パーツ)となる金属イオンや有機分子を
組み換えることによって、いろいろなサイズの細孔や形状、
性質を持つナノチューブを作製できる可能性を示した。

今後、ガス分子に対して敏感に応答するセンサー材料や、
ガス吸着能力と導電性を併せ持つ、新たな多機能電子デバイスへの
応用が期待できる。

ナノチューブは、1991年に飯島 澄男 氏(名城大学大学院 教授)が
発見したカーボンナノチューブが有名、さまざまな応用が期待。
作製に1,000℃以上の高温が必要なことから、
いろいろなサイズや形状のものをつくることは難しい。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1103/1103011.html

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