2011年3月10日木曜日

教員の研修(3)生徒や親の心理を知る

(読売 2月23日)

不登校を防ぐには、学年の最初の3日間が肝心。

生徒たちにグループではなく、ペアを組ませて、
クラスで誰か1人は話せる級友を持てるようにしましょう。
隣の人に声をかけて。

『最初の3日が肝心だぞ』」
講師を務める諸富祥彦・明治大学教授(47)(教育臨床心理学)
指示すると、約40人の参加者は一斉に隣を向き、
照れながらも、「最初の3日が肝心だぞ」。
会場の空気がフッと和んだ。

習志野市の千葉工業大学を会場に、
「千葉県教育カウンセラー協会」が主催した
「教育カウンセラー」養成講座の初日。

カウンセリングを応用した指導で、子ども同士が互いに関わり合う
場面を、意図的に作り出すことの大切さを語る講義に、
教員を中心とした参加者はじっと聞き入った。

「親にケンカの連絡をしたら、全部録音されていて驚いた」、
「『担任を代えろ』と言われた」。
この日の後半は、「保護者対応の実際」がテーマ。
参加者は3~4人のグループに分かれ、保護者から学校に
持ち込まれた苦情の体験を、それぞれが保護者と教諭、
校長の役割を演じて追体験。
保護者への接し方を考えた。

「『私のことをわかってくれない』という親は多い。
親も子も、自尊感情を傷つけないことが重要。
相手の話に理解を示しながら、聞くのが大切」と諸富教授は助言。

教育カウンセラーは、1999年に発足したNPO法人
「日本教育カウンセラー協会」が設けた認定制度。

勉強や進路、交友関係など子どもたちが抱える課題に対し、
カウンセリングの技術を、日常の指導の中で生かすのが目的で、
これまで約1万5000人が資格を取得。

カウンセリングや児童生徒の心理を学ぶ教員対象の研修は、
自治体などの主催で各地で開かれているが、同協会の講座には、
より専門的な知識を求める教員たちが集う。

「教科書の60ページだよ」。
授業中、こんな風に児童同士での声かけを指示することで、
「勉強する意識が高まり、ボーッとする子が減った」と、
千葉県市原市立若宮小学校の森岡里佳教諭(33)は、
養成講座の成果を語る。
折り合いの悪い児童同士でも、声かけが話をするきっかけに。

同協会の村主典英理事(56)は、「一緒に学ぶことで、
参加者同士のつながりができ、相談したり、互いに高め合うことができる」

◆学校のカウンセラー

不登校や非行などに対応する「スクールカウンセラー」が代表的。
臨床心理士、精神科医、心理学系の大学教授らが
教育機関に出向くなどして相談業務に当たる。
教育カウンセラーは、心理職ではなく教育者と位置づけ、
日常の指導に活用するため、教員らが取得する場合が多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110223-OYT8T00162.htm

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