2011年6月20日月曜日

多層型の2次電池開発 岩手大と新潟の企業2社

(岩手日報 6月15日)

岩手大の馬場守名誉教授(66)=電子デバイス工学=と、
新潟県の企業2社は、セラミックス製の多層セル型リチウムイオン
2次電池を開発した。

セルと呼ばれる薄い層を積み上げて、一括して焼き固めた電池は世界初。
安全性が高く放電容量を拡大できるため、小型電子機器から
電気自動車まで、幅広い機器への応用が期待。

馬場名誉教授とナミックス社(小田嶋寿信社長)、
アイオムテクノロジー(増村均社長)が共同開発。

岩手大の全固体薄膜リチウムイオン2次電池の技術と、
2社の電子部品などにおけるセラミックスのペースト化や焼成、
積層技術を融合させた。

充電可能な2次電池は、150層の場合、縦、横3・2mm、厚さ2・5mm。
正極、無機の電解質、負極のペーストを1層のセルとして重ね、
全体を800~1000度の高温で焼き固めた。
1時間当たりの放電容量は、210マイクロアンペア。

有機の液体電解質を使った通常のリチウムイオン電池と異なり、
全てが固体のため、発火などのトラブルが少ない。

そのまま電池として使用可能なため、パッケージが不要で
コンパクト化、コスト削減にも。
多層化によって、放電容量を拡大できるため、
携帯電話など小型電子機器から、電気自動車まで幅広い応用が可能。
今後は、量産化をどう進めていくかが課題。

馬場名誉教授は、「震災で甚大な被害を受けた本県を含め、
わが国の産業界に新たなものづくり分野を創成、
雇用創出にもつなげたい」と抱負。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110615_8

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