2011年6月20日月曜日

朝型/夜型が野球の成績に影響?

(ナショナルジオグラフィック 6月16日)

野球選手の打率が高くなる時間帯は、
睡眠パターンによって異なる傾向にあることが、
米大リーグ選手を対象にした予備的研究によって明らかに。

朝型を自認する選手は、早い時間のゲームで打率が高く、
晩い時間になると打率が下がる。
反対に夜型の選手は、晩い時間のゲームで打率が高い。

バージニア州シャーロッツビルにある
マーサ・ジェファーソン病院睡眠医学センターの医長、
W・クリストファー・ウィンター氏。

わざわざ研究で証明する必要があるのかと思われるかもしれないが、
これまで誰も本格的に調査したことはなかった。

人間は誰しも、概日リズムという自然の睡眠パターンを持っている。
右利きの人と左利きの人がいるように、この概日リズムが
人間を朝型と夜型に分けている。
概日リズムは、年齢とともに早い時間帯へずれる傾向。
お年寄りが、午後4時半に夕食を摂ったりするのはそのため。

今回の研究には参加していないハーバード・メディカルスクールの
神経学者ジェフリー・エレンボーゲン氏は、
概日リズムは、行動や身体パフォーマンスなど、
人間のあらゆる生理的側面に影響を及ぼす。
髪の色が、人によって茶色だったり赤だったりするのは遺伝によるが、
1日の特定の時間帯におけるピークパフォーマンスに
個人差がみられることにも、遺伝子がある程度関与」

野球選手を対象にした今回の研究で、研究チームは、
大リーグ7球団の選手16名(平均年齢29歳)に、
睡眠に関する標準的な質問票に答えてもらった。

質問票は、その人の概日リズムを明らかにするもので、
今回の研究向けに修正が施されていた。
質問の結果、選手9名が夜型、7名が朝型と判明。

次に、選手の2009年と2010年の成績を分析、
試合開始時間との照合を行った。
選手は、タイムゾーンをまたいで移動することもあるため、
試合開始時間はその分を計算に入れて調整。

ボルチモア・オリオールズの選手がロサンゼルスまで移動し、
午後2時からの試合に出場した場合、
その選手にとっての体感的な試合開始時間は午後5時。

分析の結果、午後2時より前に始まった試合では、
朝型の選手の打率(.267)が夜型の選手(.259)を上回っていた。

午後2時以降に始まった試合では、夜型の選手の打率(.261)が
朝型の選手(.252)を上回った。

「体が行うことにはすべて、自然な山と谷があり」、
人間は最も覚醒しているときに、より良い運動パフォーマンスを発揮する
可能性が高い。

夜型の人が、遅くに寝て遅くに起きるという睡眠パターンを
永久に抜け出せないわけではない。

概日リズムを変える方法もある。
体内の睡眠リズムは、明るい光に接する時間帯に影響され、
1日の早いうちに光を浴びるようにすると、
睡眠サイクルを早い時間にずらすことが可能。

米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)によると、
アルコールの摂取も、時差ボケと同じように睡眠サイクルを乱す。

睡眠におけるわれわれの嗜好や習慣は、従来考えられていた以上に、
生活や行動に深く影響を及ぼしていることが認識されつつある。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110616-00000001-natiogeo-int

0 件のコメント: