2011年6月22日水曜日

岩手大が沿岸に拠点 水産復興支援へ検討

(岩手日報 6月12日)

岩手大(藤井克己学長)は、東日本大震災による津波で甚大な
被害を受けた漁業などの復興支援を目的に、
海洋・水産分野の研究教育拠点を本県沿岸に開設する方向。

内陸部で展開する工学系3研究センターに続く、
第4のサテライト施設」と位置付け、人材の育成にも力を注ぐ。
全国の海洋・水産系大学から客員教授を招くことも視野に入れ、
再生を目指す漁業関係者らの期待を集めそう。

研究教育拠点は、同大が取り組む震災復興プロジェクトの一環で、
「SANRIKU(三陸)海洋産業復興研究教育拠点形成創成事業」として推進。

環境把握・解析と漁業、養殖、加工、流通分野までを研究対象に想定し、
地元関係者や企業とも連携して研究や技術開発を進め、復興を後押ししていく。

同大は、これまで沿岸部への施設展開を行っていなかった。
開設時期や具体的計画はこれからだが、沿岸部の被害状況から、
設置場所は釜石以北となる可能性が高そう。

既存のサテライト施設は金型(北上市)、鋳造(奥州市)、
複合デバイス(花巻市)の各技術研究センターがあり、
いずれも工学部が教員を派遣。
沿岸の研究教育拠点は、担当の学部を固定せず、
学部横断的に全学を挙げて取り組む予定。

従来の施設開設に当たって、地元市町村の全面的支援を受けてきたが、
被災自治体に経済的負担を求めるのは困難。
内陸サテライト施設の実績や沿岸産業の厳しい現状を国に訴え、
予算化を求めていく方針。

沿岸部では、大船渡市三陸町の北里大海洋生命科学部が
2015年度まで5年間、三陸キャンパスの使用を中止。
岩手大の研究教育拠点が実現すれば、
産学官連携の新たな道筋も生まれそうだ。

藤井学長は、「沿岸地域の将来を担う研究者、技術者を育成したい。
地元企業とタイアップしながら、世界に誇る『メード・イン・三陸』の
高付加価値商品化に貢献できれば」と意欲。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110612_3

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