2011年6月19日日曜日

水産加工業復興へ一丸 連合会組織が発足 サンマ漁控え要望強化

(東海新報 6月12日)

水産分野の生産・流通・加工業界が、一丸となって
東日本大震災からの復興などに取り組もうと、
県水産生産流通加工業連合会が11日に発足。

気仙沿岸の漁業、水産加工関係者らも役員に名を連ね、
スクラムを組んだ形での活動展開を確認。
関係者は、とくに水産加工業被害に対する国の支援を強く求め、
9月から本格化するサンマ漁に合わせた早期再開に強い意欲。

設立総会は、ホテル丸森で行われ、気仙を含む県沿岸の漁業、
魚市場、水産加工関係者ら約80人が出席。

県近海漁船協会長を務める鎌田和昭設立世話人は、
「サンマ漁業の振興に寄与しようと、昨年から設立準備を進めてきたが、
東日本大震災の発生を受けて一度は躊躇。
今こそ、本連合としての役割が求められる」とあいさつ。

藤原良信参議院議員、黄川田徹衆院議員らも祝辞。
議事では、設立趣意書や設置要領を承認した後、
役員選出では会長職に鎌田氏が就任。
本年度の事業計画や収支予算も確認。

設立趣意書では、東日本大震災から3カ月が経過し、
夏から秋にかけての盛漁期が近づく中、
「漁業・魚市場・加工業の復活は進んでいない」と指摘。
多くの漁業者や関連事業所が廃業、撤退の危機にある。

一分野だけでの機能回復では、地域産業のサイクルは
成り立たない点にも言及。
生産・流通・加工業界の関係者が、一体となって解決策の提言などを
発信することで、早期復旧、復興を急ぎたい考え。
水産加工業の被害は甚大であるとした上で、
本年度の事業計画では重点事項に盛り込んでいる。

議事終了後には、岩手秋刀魚船団の千葉幸男船団長による決議も採択。
生産者は、己のみの復興はありえず、加工、冷凍、流通の
一日も早い復興が望まれる。
生産者と同様、手厚い支援の拡充を図るよう、国、県、市町村に要望する」、
鎌田会長は早速、黄川田、藤原両国会議員に水産加工業への支援を
求める要望書を手渡した。

決議の背景には、水産加工業者の事業再開に向けた焦りや不安が。
多くの雇用を抱え、水揚げが本格化する時期までの修繕を急いでいるが、
冷蔵庫や設備機器など多額の費用が見込まれる。
過去の借入金と合わせた「二重ローン」の負担も重くのしかかる。

大船渡魚市場だけを見ても、昨年のサンマ水揚げ実績は約26億円。
事業再開が遅れれば、魚市場でも買受体制が縮小する形となり、
幅広い分野に影響が及ぶ。

山岸冷蔵㈱の菅原康民代表取締役は、
「漁期を前に、受け入れ体制を作ることが大事だが、
被災して資産がなくなっている。
今は、独自に銀行から資金を調達して修繕しているが、
国の後押しがなければ、今後の復興は難しい。
国が支援するという確かな手応えがほしい」

個人経営の販売、流通業者も組織に入っている
大船渡水産物商業協同組合の佐々木英一理事長も、
「店がなくなって困っている業者が多いが、一人では要望も難しい。
団体行動が大事」と、スクラムを組んだ形での動きに期待。
同連合会では、今後も要望活動を展開し、早期再開を後押しすることに。

http://www.tohkaishimpo.com/

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