(毎日 12月20日)
剣道は、「痛い」「臭い」などの理由で、52%の生徒が「やりたくない」と回答。
宇都宮市立雀宮中で行われた全国学校体育研究大会を前に、
研究班が実施した生徒アンケートの結果。
剣道の研究授業で教えた雀宮中の山田博子教諭は、
「負のイメージが強かった」
山田教諭の授業では、面を着ける際に布製のあごあてを使い、
小手の下には軍手をはめることを生徒に認めている。
「前に使った人の汗が気になる」という理由。
一部には、こうした防具の着用に批判の声もあるが、
山田教諭は、「生徒が抱くハードルを取り除きたかった」
剣道は、他の武道と比べても厳しい礼法を指導。
全日本剣道連盟は、試合で勝った後のガッツポーズや、
特定選手を応援する横断幕の掲示などを禁じている。
全剣連の福本修二専務理事は、
「負けた相手にガッツポーズされた時の思い、横断幕のない選手の気持ち。
その寂しさを『察しろ』ということだ」と話し、
相手に対する思いやりの心が大切であると強調する。
試合後は、両手を床について互いに礼をする。
山田教諭は、「勝者は『自分の力を引き出してくれた』、
敗者は『弱点を教えてくれた』という相手の選手に対する感謝の気持ちを表す。
相手があって分かることだ」と説く。
あごあてや軍手を認めたのも、剣道の心を感じてもらいたかったから。
素直にありがとう、と言えるようになった生徒の心の変化も肌で感じてきた。
剣道の授業に詳しい千葉県袖ケ浦市教委総合教育センターの
軽米満世・教育相談員は、「剣道を通じて問題の多かった中学が
良い方向へ向かった例もある」と指摘。
全剣連は、75年に「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」
とした「剣道の理念」をまとめた。
昨年も、「剣道指導の心構え」として礼法を重んずる指導を呼びかけた。
思いやりや感謝の気持ちを大事にする剣道。
12年度から中学1、2年の授業に武道が必修化されるのに伴い、
教育現場では剣道に期待する声もある。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20081220ddm035050007000c.html
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