(毎日 12月27日)
12年度から中学1、2年の授業で武道が必修化され、
柔道、剣道とともに相撲も学校単位で選択が可能となる。
地域によっては、幼いころから道場で相撲に親しむ子どもも多い。
その中で、全国から集まった小学生力士が、
東京・両国国技館で開かれた全日本小学生相撲優勝大会で強さを競い合った。
小学5年の部に出場した三男に付き添い、
国技館を訪れた埼玉県戸田市の主婦、稲員礼子さん(51)は、
「相撲は、何よりも礼儀と我慢強さが身につく」と話し、
「身についた力や技をコントロールする心を養ってもらいたい」と付け加えた。
激しい試合や練習では、相手にけがをさせかねない。
学んだ技や培った力を、むやみに他人に使えば凶器になる場合さえある。
それ故、相撲を学ぶ場合、力と技だけでなく「優しさ」を併せ持つことが大切。
相撲を教えて26年になる千葉県富津市立富津中の山崎美佐夫教諭(48)が、
留意するのもこの点。
日体大相撲部に所属していた山崎教諭は、
「相撲は、初心者レベルで(勝敗の)偶然性が少ない」。
特に、成長途上で体格差が大きい中学生は、
戦う前から勝敗が分かる場合もある。
強者と分かれば、「同じ全力を尽くすにも、相手にけがをさせないように勝ちなさい。
弱者への配慮を常に持ちなさい」と指導。
相撲の伝統的な所作を教えることも重要。
例えば、もみ手から腕を開いて手のひらを返す「塵手水(ちりちょうず)」。
もみ手は、屋外で相撲を取った時代に水がなかったため、
雑草をもんで手を清める仕草。
手のひらを返すのは、武器を持たずに正々堂々と素手で戦うことを誓うため。
山崎教諭は、「大相撲の中継を見て生徒が聞いてくる。
それに答えるだけでも、日本の伝統文化としての相撲を教えることができる」
「強いだけでなく、弱い子にいたわりの心を持って
力を発揮しなければならないのが相撲」
山崎教諭は、生徒が相撲を通して弱者へのいたわりを学ぶことを期待。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20081227ddm035050040000c.html
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