(Medscape 12月12日)
『Hepatology』に報告された一般集団ベースの横断的研究によれば、
余暇の定期的な運動、特に無酸素運動は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)
の予防に役立つ可能性がある。
Tel Aviv Sourasky Medical Center(イスラエル)のShira Zelber-Sagiらは、
「運動は、一般にNAFLD患者に推奨されている。
NAFLDにおいて、運動が単独でどのような役割を果たすかについては
十分なエビデンスが得られていない。
目的は、運動とNAFLDの相関性を検討すること」
研究対象母集団は、Israeli National Health and Nutrition Surveyに
登録された参加者の一部(375例)。
肝疾患の原因が判明している患者は、研究対象から除外。
腹部超音波検査、レプチン、アディポネクチン、レジスチンなどの生化学的検査、
肝脂肪症のバイオマーカーの非侵襲的測定SteatoTest
(BioPredictive、パリ、フランス)、身体計測、
半定量的な食事頻度質問票および詳細な運動質問票で、測定評価。
参加者349例のうち、52.7%は男性、30.9%は原発性NAFLDに罹患。
NAFLD患者が報告した有酸素運動量、レジスタンス運動量、
その他の種類の運動量は、残りの参加者と比較して少なかった。
何らかの運動またはレジスタンス運動を週1回以上行っている参加者では、
SteatoTest値が有意に低かった。
何らかの運動を週1回以上行っている参加者では、
腹部肥満のリスクが相対的に低い。
性別を補正した条件では、何らかのスポーツおよびレジスタンス運動への参加は、
それぞれNAFLDと負の相関性を示した。
ホメオスタシスモデルに関して補正した条件では、
ほとんどの栄養因子、アディポネクチン、レジスチンは相関性を変化させない。
BMIを、さらに補正した条件でも有意性が保たれたのは、
レジスタンス運動とNAFLDの相関性のみで、
レプチンまたはウエスト周囲径をモデルに追加すると、統計的有意性が消失。
「運動習慣、特に無酸素運動は、NAFLDに予防的役割を果たしている可能性。
この相関性は、腹部肥満率の低下を介するもの」
この研究の限界は、横断的デザインを用いたため、因果関係を推定できなかったこと。
「NAFLD患者のライフスタイル改善に、運動量の全般的増加を含めるべき。
NAFLDに対し、レジスタンス運動が有酸素運動より有用であるか否かは、
さらなる研究が必要である」
Hepatology. 2008;48:1791-1798.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=85617
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