(じほう 2008年12月17日)
回復期リハビリテーション施設を軸とした「健康医療福祉都市構想」が、
全国の地方都市から関心を集めている。
回復期リハを受ける患者が生活しやすい都市環境とは、
超高齢化社会に適した都市構想でもある。
近い将来、モデル都市が実現すれば、全国化やアジア進出への期待も。
「健康医療福祉都市構想」は、
脳神経外科医で回復期リハ施設の機能強化を提唱する
酒向正春医師(初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長)が、
2003年から発信してきた都市構想。
脳卒中後の回復期リハや維持期の患者が、治療を受けながらも人間らしく、
健やかに生活できる環境をつくることがテーマ。
全国の地方都市からの関心を集め、一部では具体化に向けた検討が進んでいる。
構想は、酒向氏のヨーロッパでの留学経験から生まれた。
ヨーロッパでは、障害を持つ人や脳卒中などの後遺症を持つ人も、
都市の中心街に出てきて当たり前に生活を送り、元気に活躍している。
都市計画そのものが、「人間」を中心に構築されているため、
「人間らしく生きる」ことを可能とした。
近代以降の日本の都市では、生産性や効率性が優先されたため、
健常者の視点からしか都市計画が検討されてこなかった。
回復期リハ施設から元気に退院しても、後遺症や障害も持った人が
安心・安全に外出し社会活動を行えるような環境がない。
外出は、デイサービス・デイケアなどの施設や病院までの
往復に制限されてしまうのが現状。
「健康医療福祉都市構想」は、全国のどこにでもある30万-70万人の
住民を抱える地方都市を想定。
地方都市の中心市街には、老舗のデパートやショッピングエリアが点在し、
それらを結ぶ通り道が活気のあるショッピング街を形成。
回復期リハ施設から老舗デパートやショッピングエリアまで
バリアフリー化した「ヘルシーロード」があれば、
安心・安全な日常生活に必要な活動ができるというのが構想の根幹。
「ヘルシーロードを歩いてデパートで買い物することは良いリハビリになり、
自宅退院の目安になる。
ヘルシーロードは、人間回復のシンボルとなるだろう」
回復期リハの需要やさらなる人口高齢化によって、
健康医療福祉都市は全国の50-100都市に広がり、
日本に続いて超高齢化時代に突入するアジアにも
受け入れられるのではないか、と酒向氏は期待。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=85127
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