(読売 10月21日)
教員同士が独自のノウハウを公開して支え合っている。
北海道旭川市立北光小学校を訪ねると、
土曜日でひっそりと薄暗い校舎の中で、
一つの教室だけ明かりがつけられていた。
教室にいたのは、市内の小学校教員ら42人。
英語の授業方法を学ぶ勉強会が開かれていた。
ハロウィーンを題材にした模擬授業をしていたのは、
市立共栄小学校の森弘美教諭。
100円ショップで買った魔女やお化けのカードを使った
ゲームの方法などを発表。
子ども役となった教員たちに、手作りの模型の民家を使い、
「トリック・オア・トリート」といって、お菓子をもらうことも体験。
森教諭は、「英語が得意ではないので、子どもの興味を
引きつけられるよう、道具を使うことを重視した」と狙い。
4年生の総合学習の時間、外国語指導助手(ALT)と
一緒にやってみる予定。
この日は、幼稚園の英語講師が英語の絵本を使った
読み聞かせを実演したり、小学校教諭が世界の朝食を
英語で学ぶ授業を発表したりした。
勉強会を開いているのは、英語の授業研究に熱心な
市内の小学校教諭らで作るサークル
「Asahikawa English Education Network(AEEN)」
2003年、市内で開かれた北海道の英語の教科教育研究会に
参加した教員を中心に、その年の9月に17人で発足。
毎年6月から翌年2月まで、月1回の割合で開催。
独自の授業を実践している教員が模擬授業を行い、
ほかの教員は子ども役となって授業を受ける。
毎回約3時間程度で、発表する教員は5人前後。
カリキュラム編成講座の開催や、外部講師や授業づくりの
アドバイザーとなる人材の確保を進めている。
AEEN統括コーディネーターの小山俊英・北光小教諭(55)は、
「英語を教えるのが上手な先生だからできる授業ではなく、
どの先生でもできる授業を広めたい」と活動の目的を語る。
模擬授業という形式で勉強会を進めるのは、
教える側も子ども役も授業を体で覚え、
改善点を発見しやすくする。
小学校の外国語活動の必修化を前に、
会員も急増して120人近く。
当初は、10人程度しか集まらなかったのが、
今では100人近くが集まり、会場を体育館に変えることも。
学校現場の苦労を感じる、と小山教諭。
参加者から、「5、6年生の担任は何もやらず、英語担当である
私とALTが打ち合わせも授業もやっている」、
「授業の進め方でALTと学校の方針が違い、
板挟みになって疲れてしまう」という話が飛び出した。
担任を巻き込んだ体制作りを進め、標準的な授業方法を
確立することが小学校英語活動の必修化に向けて欠かせないが、
なかなか問題として認識されないのが実情。
英語の本格導入を前に、試行錯誤が続いている。
◆教科教育研究会
教科担当の教員が年1回など定期的に集まって、
授業方法の研究発表や模擬授業、講演会などを行う。
情報交換や親睦、教科教育の研究・発展が目的。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091021-OYT8T00275.htm
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